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「…？」
「おはようさんA。」
「…ん…おはよ、ございます…」
朝。あれからすやすやと眠っていたAがむくり、と起きてきょろきょろと辺りを見渡してホッとしていた。イゾウへと挨拶を返して、イゾウへ手を伸ばした。
「ご飯食べに行くか。」
当たり前のようにAを抱き上げたイゾウにAはイゾウの名前を呼ぶ。
「…いぞう。」
「あん？」
「………ねえさまのとこいきたい。」
「…姉の墓のところか？」
「ん。」
こくり、と頷いたAはイゾウの着物を掴む。
「…今日か？」
「…ん。ねえさまにもっかいさようならするの。」
「(もう1回？)」
イゾウへとギュッと抱き着いているAは解っているのだ。この島はしばらく離れるのだと。 イゾウは無言で頭を撫でてやり、とりあえず食堂に足を動かした。
「…A。」
「？はい。」
きょとり、と顔をあげたAは返事をした。イゾウは出来るだけ分かりやすいように考えながら口を開いた。
「今日、この島を出る。しばらくはこの島に来れない。」
すると
「……わたし、おいてく？」
寂しそうな声にイゾウは優しく背中を叩く。置いていく、というのは違うからだ。
「Aはどうしたい？」
白ひげの娘にはなったが、姉の墓があるここに留まりたいならばAを養ってくれる人を捜そう。そう白ひげに昨夜、言われていたのだ。それは隊長達全員に言われている事だった。
「……いぞうもとうさまも、わたしいらない？」
「(も？)そうじゃない。Aが決めていいんだ。Aの人生なんだ。オレ達と居たいと言うなら一緒にこの島を出る。Aが残りたいならAを養ってくれる人をオレ達が捜す。…意味は分かるね？」
「…はい。」
「どうしたいかい？」
「…………………いっしょいる……だめ？」
「！いいに決まってんだろ。」
くしゃり、と泣きそうなAを撫でる。イゾウへと抱き着くAは震えている。イゾウはそんなAをあやしつつぽつぽつと語る。
「…なァA。
分からないならいいんだがな、聞いとけ。
オレ達は家族になったんだ。
オヤジの家族はな、皆それぞれを大切に思ってる。だから独りで溜め込む必要はねェからな。それは頭に入れとけよ。
Aが泣いても我儘言っても、もちろん笑っても怒っても皆Aのことが可愛い妹と思ってんだから
誰もAのことを"要らない"なんて言わねェ。」
(それはオレたちにとって当たり前のこと)
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名無しさん - 名前のところがユアになってるところが何ヵ所がありました。直してくれると嬉しいです。この作品だいすきなので、応援してます。更新頑張ってください (2018年7月14日 21時) (
レス) id: eefbd9d545 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 結愛さん» いえいえ、ありがとうございます！伝えなくていいかなって思ったんですが、やっぱり気になってしまって…もし、不快に思われてしまったならごめんなさい。 (2017年7月4日 1時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 夜涙さん» すみません！ご指摘有難うございます！直しておきます！ (2017年7月3日 11時) (レス) id: 4ce5084a76 (このIDを非表示/違反報告)
夜涙(プロフ) - 初めまして。あの、所々名前が『ユア』という風に表記されるので、直してもらえるとありがたいです。よろしくお願いします。 (2017年7月3日 2時) (レス) id: ed485df4ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年5月6日 22時
