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「…と言ってもAは甘え方がわからないだろうからな。」
イゾウはくしゃり、とAを撫で
「少しずつでいいから、頼れ。」
と笑う。Aはそんなイゾウに大きな目を揺らして、イゾウへと小さな手を伸ばしてイゾウの着物を掴んだ。
「ほら、食うか。」
「…うん。」
頷きつつも、イゾウの着物から手を離さないAにイゾウは苦笑する。Aを動揺させてしまったのだ。たった3年だけれど、Aの生き方を変えようとしているのだから。
「…Aは難しく考えなくていいさね。自分に素直に生きてほしいとオレは思うよ。」
少しして漸く手をホットケーキへと伸ばし、もきゅもきゅと食べ始めたAを見たイゾウは安堵した。
「…あ。」
イゾウが声が聞こえた方を見れば
「ハルタじゃねぇか。どうした？」
王子様のような格好をした12番隊隊長のハルタが食堂の入口で突っ立っていた。
「A髪結んでるんだねー！可愛い！」
近くに来たハルタはニッコリと笑ってそう言った。未だにAが怯えるのでハルタでさえも少し距離を取るようにはなったのだ。ハルタ曰く、『可愛い妹に嫌われるのは嫌』だそう。
「食う時に邪魔になりそうだったんでな。」
「へー。A！僕の名前覚えてるー？？」
ニコニコ笑うハルタにAはちらり、とイゾウを見上げてから小さく
「……はるた。」
と小さな声で答えた。
「！ふふ！覚えてくれてるー！嬉しいな！」
にぱーっと笑うハルタにAは首を傾げた。
「…？」
「…あれ？」
首を傾げたAにハルタもまたAと同じ方向に首を傾げた。それを傍から見たイゾウは思わず笑う。
「…ククッ。」
「え、イゾウなんで？」
「ハルタが"嬉しい"って言った意味が分からないんだと思うぞ。」
「へ？」
ハルタはAに名前を覚えてもらえてて嬉しいのだと言った。だがAにとっては何故"嬉しい"のかが分からなかったのだ。
「えー、あー！僕もエースとかサッチみたいにAと仲良くなりたいんだ！だから名前覚えてくれてて、嬉しかったの！」
名前を覚えてくれてるかどうかさえわからないくらいに話さなかったからね！と笑うハルタにAはきょとんとハルタを見た。
「…はるた、はあめ、くれた。おぼえてる、よ。」
「！えへへー。」
「Aは賢い子さね。自己紹介したなら覚えてるさ。」
くしゃり、とイゾウはAを撫で、Aはそれに嬉しそうに笑った。
(その様子はまるで猫のようだった)
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うさな - 面白かったです!めっちゃ続き気になるー！！更新頑張ってください! (4月28日 14時) (
レス) @page40 id: 8b6881ee90 (このIDを非表示/違反報告)
麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
