４７ ページ8
▽イゾウside
食堂へと行けば
「あっ！Aちゃん！イゾウやっと来たのかよー。」
遅いとばかりに待ち構えていたサッチがいた。そんなサッチの横を通り過ぎなから
「Aがニュース・クーと遊んでたんだよ。」
と説明を一応する。
「…ニュース・クーと？」
「あぁ。」
「………は？」
まぁ、そういう反応になるかもなぁ。
「…Aにスゲェ懐いてたな。」
「くーちゃんかわいいの。」
Aは楽しげな雰囲気でそう言っているから頭を撫でてやる。可愛いなぁ俺の御姫様は。
「…くーちゃんとは…」
サッチがおやつを持って側に座った。お、今日がパンケーキなのか。
「ニュース・クーだ。多分クーって鳴くからだと思うぞ。」
エースと同じ返しをして
「A、今日はパンケーキらしいさね。」
「！」
パッと顔を上げたAの髪がさらり、と揺れた。
(…髪…結った方が食べやすいか…？)
Aの食べ方は綺麗だ。ちまちまと食べていくのだが、教育の良さが分かる。きっと姉に習ったのだろう。だがこれはパンケーキだ(クリームが乗っている)。
「？いぞう？」
黙ったオレにキョトンと見上げるAに笑って
「A髪を結おうかね。食べる時邪魔になるだろう？」
サラサラな癖のない髪を触って言えば
「……わたし、ゆえない。」
困ったように眉を下げたAに笑う。
「俺が結うさね。」
姉に結って貰っていたのだろうな、とは思っていた。なんせ、忘れがちだがAは3歳なのだ。
(まぁ出来そうな気もしていたのは確かなんだがね。)
櫛が手元にないので手櫛で纏めていく。
「…ねぇいぞう。」
「あん？」
「ゆいかた、わたしにもおしえてください。」
この子は、甘え方を知らないのだ。自分でやらないといけない、そう思っている。ならば。
「…オレが結いたいけどなぁ。」
「…！…ど、して…」
「Aが可愛いからな。」
「…？」
困惑してるAをそのままに髪を結った。
「よし、出来た。」
綺麗な黒髪だねェ。
「あ、ありがとうございます…。」
「ん、どういたしまして。」
「…あの、いぞう…」
もじもじとするAにぽんぽん、と頭を撫でた。
「Aが可愛くて仕方ねぇからオレに世話させて欲しいんだよ。」
(優しくて、寂しがり屋なのに甘え方を知らないこの子の為に)
(とびきり甘えさせたいと思うのは)
(小さな小さな御姫様が愛しくて仕方ないから)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 838人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさな - 面白かったです!めっちゃ続き気になるー！！更新頑張ってください! (4月28日 14時) (
レス) @page40 id: 8b6881ee90 (このIDを非表示/違反報告)
麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
