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「イゾウ隊長。」
「…なんだ。」
「貴方だけを責めるのは違うとは思いますが、貴方はこの子の保護者…いや親となる位置だということは自覚してください。」
「っ！」
「…今回は精神的なもので血は全然関係はないんですが。こんなに小さい子が精神的なもので倒れる、ということは本来なら…"親"がいればありえないことです。」
親が、いれば…
「イゾウ隊長はずっとこの子…Aちゃんと居たから勿論分かるでしょうがAちゃんの立ち振る舞い的にもとても裕福な家庭で育ったのでしょうね。」
大事に大事に育てられた子供。姉に愛され、姉を慕うAを見れば、そんなのは分かる。
「…我々は海賊団です。きっと真逆な生活でしょう。」
それは、分かっていた。
Aの言葉遣いや動作。3歳なのにしっかりとしている。
それに比べてここは海賊団だ。"自由""名声""富"を求めて戦うオレたちとは相反するだろう。
それでもAは、
馴染もうと頑張っていた。
慣れない船。
慣れないクルーたち。
男ばかりのこの船に
怯えながらも必死に。
ならオレは？
Aの為になにかしたか？
あぁ、何も、思いつかない。
「……失格だと、言いたいのか。」
この子を守る立ち位置がオレには失格だと言ってるように思える。
「いえ。Aちゃんが求めたのはイゾウ隊長ですから。」
にっこり、笑った船医はゆっくりと
「イゾウ隊長。もう一度言いますよ。
この子を守るのは"家族"の役目です。」
「！」
「貴方は"親"の立ち位置だと言いましたが、ここは沢山の…うーん、Aちゃんにとっては兄になるやつらがいるんですから。」
うっとおしいくらいに、と笑った船医。
「頼りなさいな。この子は女の子ですから、ナースたちでも構いません。寧ろナースたちはAちゃんに構いたくて仕方ないでしょうがね。」
あぁ、そうか。
こいつはオレに、言っているのか。
「……船医。」
「はい。」
「……すまないな。」
「ふふふふ。なんのことでしょう。」
こいつは飄々としていて、しっかりと本質を見ているんだ。
…オヤジの次に敵わないな…
「………A。」
可愛いオレの御姫様。
「悪かったな…」
早く起きておくれ。
起きてから小さな体を抱きしめて。
そして
大好きだと伝えよう。
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麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (
レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - このお話しを見つけてから、一気に無我夢中で読んでしまうほど、面白いお話しです！！読めば読むほど主人公にも、イゾウさんにも、オヤジさんにも、白ひげ海賊団共々幸せになってもらいたいと思いました！これからの続きも楽しみにしております！！ (2022年9月16日 10時) (レス) @page42 id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
