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▽イゾウside
医務室に入ればAが静かに目を閉じていた。そっと近付いてAの幼いながらに整った顔を見つめる。
(…白い、な…)
こんなに血の気のない顔をしていたのか。すると後ろから声がかかった。
「おや、イゾウ隊長。漸く来たんですか。」
船医の意味深な声掛けに振り向きもせずに答える。
「…悪いか。」
「いえいえ〜？Aちゃんの保護者はいつになったら来るのかとそわそわしていた所でしたよ。それにエース隊長を追い出すのに苦労しましたよぉ。あぁ、それでですねぇ、Aちゃんなんですが、どうやら精神的なものみたいでですねぇ…」
この船医は常に飄々としている。のらりくらりとしているこの男。けれどその腕は確かなのだ。
「…この子の、血液を検査したんです。」
急に声音が変わった。いつの間にかオレの横に来てAを見つめて
「…存在しない、血液型のようなんです。」
「…………存在しない、だと？」
「この子の血液は、どの血液型にも当てはまりませんでした。…その意味は、分かりますか？」
存在しない、血液型。
その意味？
「……まぁ、私の想像でしかありませんのでそれは置いておきますが。」
「…はぁ？」
なんだそりゃあ…
「あははは。でもまぁ、危ない、というのは分かってください。」
へらへら笑った船医はまた真剣な顔になった。
「…この船に乗る時点で、危険が伴う。いつ、この子が怪我をするのか。いつ、血が必要になるのか。」
「…。」
「この子が怪我をしたとき。血が必要になったその場合、輸血が出来ないんです。」
急激に手足が冷えていくのがわかる。
「この子を、守るのは当たり前という"前提"で話を進めていますよ、私は。この船は私も世界一だと思っています。オヤジは、負けない、世界一だと。世界一でも、怪我はするんです。沢山の家族がここに来ます。血を流して、助けてくれと助けを求めてきます。」
「…船医。」
何が、言いたい。
「この子を降ろせ、なんて言いません。この子はもう私たちの家族ですからね。可愛い可愛い妹です。でもね、イゾウ隊長。」
スっと真剣な表情、真剣な声音で
「貴方はこの子の保護者たる位置です。」
「！」
「この子のお姉さんが亡くなったとき、この子を守る役目は我々白ひげ海賊団に変わった。オヤジを父と呼ばせたことはこの子を守る役目を担ったことになります。」
役目…か。
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麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (
レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - このお話しを見つけてから、一気に無我夢中で読んでしまうほど、面白いお話しです！！読めば読むほど主人公にも、イゾウさんにも、オヤジさんにも、白ひげ海賊団共々幸せになってもらいたいと思いました！これからの続きも楽しみにしております！！ (2022年9月16日 10時) (レス) @page42 id: 1141f035c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
