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▽イゾウside
泣き疲れたAを船へと連れ帰ってオヤジに報告をした。すると出航する時間を少し伸ばせ、と言われた。
最後にもう一度確認したいらしい。
部屋へと戻ればAは起きていた。
「A？起きたのかい？」
「…い、ぞ…」
「…泣いてたのか？」
胸を押さえていたAの目からぽろぽろと涙が零れていた。近寄ってAの頬を撫でながら
「…あんまり泣くと目が腫れるぞ。」
と言えば無言で抱き着いてきた。その体は震えていて、やっぱり本物の"家族"と別れるのは辛いのだろうか。
「…A。そろそろ船を出すそうだ。」
「！」
「……また、この島に帰ってくるのはいつになるかは分からねぇ。」
本当に、いいのか？と尋ねればAはこくり、と小さく頷いた。そしてゆっくりと
「……さっきね、ゆめで、ねえさまにばいばいっていわれたの。だから、もうだいじょうぶ。」
だから泣いてたのか。
Aの頭をくしゃり、と撫でて抱き上げる。そのまま首に顔を埋めたAをあやしながらオヤジの所へ行く。
途中ですれ違うクルーたちはオレの腕の中のAを見てギョッとして心配そうに、遠目から見て来た。(遠目なのはAが慣れない人には怯えるから)
(…愛されてんのになぁ…)
姉を求めて泣くこの子は"愛"を求めてる。それが分かるのにこの子は言わない。我慢することを、覚えてしまってる。
「オヤジ、入るよ。」
ノックもそこそこにオヤジの部屋へと入る。
「…来たか。」
オヤジの声にぴくり、と反応したAが顔を漸く上げた。
「…とうさま…」
「グララララ。来い、A。」
スッと手を伸ばしたオヤジにAが手を伸ばしたのを見てオヤジの手の上にAを乗せた。
「…姉と、離れても大丈夫か。」
「…はい。さっき、ゆめでねえさまがばいばいっておっしゃられた。だから…だいしょうぶです。」
「…そうか。」
オヤジはAの頭を撫で
「イゾウ。」
「ん？」
「マルコに伝えな。出るぞ。」
「分かった。A。Aはオヤジといろよ。」
準備でおそらくAと共にいるのは危ない。そう思ってそう言えば大きな黒い瞳が揺れた。
「……はい。」
揺れたのに頷いたA。いつ、この子はワガママを言うのだろう。
「…後でぬいぐるみとか持ってきてやるから。」
「…はい。」
「オヤジ頼むよ。」
「あぁ。」
(わがままが欲しいなんておかしいのだろうか)
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うさな - 面白かったです!めっちゃ続き気になるー！！更新頑張ってください! (4月28日 14時) (
レス) @page40 id: 8b6881ee90 (このIDを非表示/違反報告)
麗葉 - 少年陰陽師を私は知らないんですけど、それでもとても面白かったです！続きも楽しみにしてます！ (5月30日 17時) (レス) @page40 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - 質問以外、コメントを返すことはしないと思いますが、励みにはなっておりますので感想聞かせて頂けると幸いです◎ (2023年4月24日 2時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
もっくん(プロフ) - いつのまにか沢山のコメントありがとうございます。何となく、ふと戻って来てきみてこんなにも沢山の人に読んで頂けて嬉しいです。これからも亀よりも遅いし、気ままに更新していこうかなと思っております。 (2023年4月24日 1時) (レス) id: 55d108408f (このIDを非表示/違反報告)
リラン(プロフ) - たまらなく嬉しいコラボ作品です！続き楽しみにしてます！ (2022年12月23日 0時) (レス) @page42 id: f068be0892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もっくん | 作成日時：2017年6月17日 12時
