28、進軍 ページ29
突如町の方から悲鳴が上がり、驚いたハザマとコトはテントから転げ出た。
時刻は深夜3時。東洋の国では丑三つ時と呼ばれる、幽霊や亡霊が最も活発に活動する時間帯だ。
通りの方からは悲鳴に混じって、爆発音や火の手が上がり始めていた。
「一体なんだってんだよこんな時間帯に…!」
「…嫌な予感がする…!」
止むことのない悲鳴に耐えきれず、大急ぎで身支度を整え、2人は通りに飛び出した。
――
ジャルドーレ通りは、地獄絵図だった。
建物から上がった火の手が暗い夜空を赤く照らし、道は逃げ回る人と死骸、そしてそれを執拗に追い回す異形たちで埋め尽くされており、到着したハザマとコトはそれをまじまじと見つめることになったのだった。
だが、地獄はそれだけでは終わらない。
道端に転がっていた死骸が突如動き出したのだ。
ギクシャクと木製の操り人形のように安定しない動きで立ち上がり、ぐちゃぐちゃと気持ちの悪い音を立てて肉体が変化していく。
そしてわずか数十秒のうちに、この不運に見回れた残念な通りの住民の死体は、見るに絶えない観音兵へと変貌を遂げたのだった。
「なんだよ……今回は随分と悪趣味なドッキリを仕掛けて来るじゃねぇか!」
「体内変異が早すぎる……!体内でゴッドウィルスが変異しているとしか……」
そんな会話をしている最中にも、変異した異形達は容赦なく向かってくる。
襲われた住人はあっという間に異形に変異し、また別の住人を襲う。
悪夢の連鎖だ。
「とりあえず、住人を避難させるぞ!なんとか被害を食い止めるんだ!」
「了解……!」
銃弾を撒き散らし、異形の肉を四散させながら、二人は通りの奧に進んでいった。
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地獄狼(プロフ) - 白い雪さん» コメントありがとうございます!これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: 9982f25173 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪(プロフ) - 何時も楽しく見てます( ˘ω˘ ) (2018年11月24日 17時) (レス) id: 91ed43297b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:地獄狼 | 作成日時:2018年1月4日 23時