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危ない!なんて声がしたあとすぐに後頭部になかなかの衝撃が走ったのは、じめじめとした梅雨が明けた夏前。
毎年この時期に開催されるらしい球技大会の練習をしていた時のことだった。
おそらく他で練習していた球が直撃したのだろう。致命的ではないがまぁまぁな痛みが押し寄せる。
「大丈夫か!すぐに保健室へ!」
少し焦ったような声がしたかと思えば、
感じる浮遊感に急速に頭が冴え渡った。
『は!?ちょ、なにして…、降ろしてください!』
「頭を打ったんだ!何かあってはいけない!」
俺が連れていくから他の者は練習を続けて、なんて言うと、Aちゃんいいな〜なんて女子から羨ましそうな声が上がった。
「少し腫れているな。…痛むか?」
『…大丈夫です。』
保健室の先生はこんな時に限って不在。
二人きりの空間に、なんだか居心地の悪さを感じる。
私の頭に触れるその手が、心配そうにするその声が。
嬉しいはずなのに、今はただ辛くて仕方がない。
『なんで、そんなに心配してくれるんですか。』
「む、君は俺の大事な生徒だからな!」
生徒、か。
『…他の子でも、同じようにしたんですか。』
ああ、私はまた自分で首を絞めに行く。
「そうだな!」
『…ですよね。
……もう。痛い、痛いよ、先生…っ。』
頭を抑えると、よもや…!なんて言いながらあたふたとしている。
先生の…師範の、ばか。
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唯梨(プロフ) - 環さん» たまちゃん!遅くなってごめんね!嬉しい言葉をありがとううう感動して泣いてる (7月23日 22時) (レス) id: 52e22c892c (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 唯梨ちゃん!!お久しぶりです!!こんな煉獄さんめちゃめちゃすきだよどこで会えますかね??笑も1個の方も読んでる!また唯梨ちゃんの鬼滅読めるの幸せです🥲ありがとう! (6月26日 16時) (レス) @page15 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - あさひゆうひさん» テンションの落差すごいよね😇脳死で書きながら真面目に書くという意味わからんことしてました。(笑)2作読んでくれてありがとう!!! (6月26日 10時) (レス) id: 7833bf2ce1 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 衣世さん» 依世さんお久しぶりです。また読んでいただけるなんてとても嬉しく感動しています泣。忘れないでいてくれてありがとうございます😭またいつか書きたいと思うのでその時はまたよろしくお願いします😭🤝 (6月26日 10時) (レス) id: 7833bf2ce1 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 羽糸さん» まさか君が読みにきてくれるとは思わずびっくりしてしまった!ありがとう!ラーメン食べに行くのか!羽衣だけに愛いな!← (6月26日 10時) (レス) id: 7833bf2ce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯梨 | 作成日時:2023年6月25日 0時