青空-my blue sky-＊無神コウ＊ディアラバ＊ (ページ10)

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Please smile on me ページ10

それから数年が経ち。
すっかり私が家族の一員になったころだ。

その頃、住んでいた街ではある事件が噂になっていた。
「ヴァンパイア連続さつ人事件」。
街の人たちが次々に不可解な死に方で死んでいった。
すべての遺体には二つの紅い穴があいていて、まるで吸血鬼に血を吸われたようになっていることから、そのような名前がついたらしい。
皆が怖がる中、本当は魔界の住人である私は全く怖くなかったけど…
そのことは、両親には伝えなかった。
ブラッドアイなんて、気味の悪い物を持っているってばれて、また追い出される、と思ったから。
それから何事もなく日々が過ぎ、その日もいつも通り学校から帰宅していた。
　 ✝
帰ってきて私が見たのは、地獄だった。
床にある二つの変死体。
首筋には二つの小さな紅い穴。

　どうして神様は私に優しくしてくれないんだろう。
お父様もお母様も、ルキもユーマもアズサも、コウも。
義父さんも義母さんも。
みんなみんな、私の元から居なくなった。
私を独りぼっちにしていく。
『もう…嫌だよ…助けてよ…！！！』
私の口からこぼれた言葉は、むなしく、空虚な部屋に吸い込まれて消えていった。