青空-my blue sky-＊無神コウ＊ディアラバ＊ (ページ4)

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転向生ページ4

ホームルームも終わり、皆の帰る準備も進む。
私もいつも通り、教科書をカバンに詰めていた。
と、その時。

「ねえねえAちゃん、知ってる？」
クラスメイトの一人が声をかけてきた。
『何を？』
「なんかね、今日三年生の先輩に４人兄弟が転校してきたみたいなんだけど」
『転校…？３年生に…？』
「うん！それが…すっごいイケメンらしいんだー！！」
『へえ～、そうなんだ～』
「それも、一人は超人気アイドルらしくて！
ね、今から一緒に見に行かない？？」
『え、私も？？』
「そうそう！ほら、いこー！」

…こうして手を引かれていったのは３年生の教室。
なんだかすごい人だかりだ…主に女子の。
というか、アイドルなんかがここに入学してくるのかな…
なんて思って、ひかれるがままに進んでいく。
すると、その四人が出てくるのか、集まっていた女の子たちは真ん中に道を開け始めた。
「わあああっすご…！めっちゃかっこいいじゃん！！！
…ていうか、アイドルってもしかして…

　『無神コウ』君じゃない！？」

『え…？』
無神…コウ…？
久しぶりに聞く名前。絶対に忘れられないその名前で呼ばれる男の子が今、
目の前を通りすぎようとしていた。
「！？…A…？」
彼は一瞬、大きく目を見開いてこっちを見た。
『コウ…』
でも、人ごみに声も姿も、かき消される。追いかける隙何て見当たらなかった。

一緒にいたクラスメイトに「用事を思い出した」と言って教室に戻り、鞄を手にとる。
教室の窓に映った私の顏。
吸い込まれるような水色の右目と、血のように赤い左目。
『っ…』
私は自分から逃げるように、その場を立ち去った。

頭の中に浮かぶのは、きれいな金髪、水色の瞳。そして

小さいころ見た青空だった。