青空-my blue sky-＊無神コウ＊ディアラバ＊ (ページ17)

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無神家へページ17

「てわけでー！A久しぶりの会！かんぱーいっ！！」
夕飯をこんなに大勢で食べる日が来るとは…

あのあと、私は何度も「いいの？ほんとに？」と確認し、
「いいっていってるでしょー！！はい、じゃあ決定！！
今日は、家まで送ってくから、荷物まとめてきて。」
と半ば強引に引っ越すことに。
無神家は大きな屋敷のようで、私の自室まで用意されていた。
ルキの料理のおいしさにびっくりしながら、着々と夕飯が進んでいく。
「「「「「ごちそうさまでした！」」」」」
自室に戻って荷物を整理する前に、ベットに寝転がってみる。
…このベットめっちゃふわふわしてる……。
でも、緊張でなのか、なかなか寝付けず、一度部屋を出てみることに。
こんな大きな家だ。
まだ道を完全には覚えてないのでキョロキョロしながら廊下を歩く。
すると、どこからか歌声が聞こえた。外の庭の方からかな…？
近くの窓からのぞいてみると、見えたのはコウの姿。
コウ…と声を掛けようと思ったが、その前に私は歌に惹かれた。

この曲は…「青空」。
お母様に教えられて、それをコウに教えたのだ。覚えててくれてるんだ。
「♪そっと目を閉じれば見えてくるあおぞ…ん？あれ？A？どしたの」
思わず聞き入っていると外のバルコニーに出ていた私に気付いてコウがこっちを向く。
『あ、ううん。なんか寝付けなくて。…歌うの、上手になったね。』
「そりゃあ一応？アイドルやってますしー？」
『あはっ、そっか。あと…覚えててくれたんだ。』
「…うん。そりゃそうだよ。忘れるわけないでしょ？
…オレ、今まで聞いたどの曲よりこれが一番好きだよ。」
『そっか。嬉しい。』
そういうと彼は優しく微笑んで、「風邪ひかないように早く戻りな」とおやすみをしてくれた。
『うん、ありがとう。コウも風邪ひかないようにね』
「オレもうヴァンパイアだよー？大丈夫だって。」
と、軽口をたたきながら部屋に戻っていった。

私もバルコニーを出て、来た道をたどりながら自室に戻る。
少し冷えた体を温めるようにベットの中にもぐりこんだ。
『ヴァンパイア…か。』
ヴァンパイアは嫌いだ。
義父さんと義母さん。彼らの遺体についた噛みあとは多分ヴァンパイアのものだ。
でも、コウたちは。
嫌いになれない。
たとえ、ヴァンパイアだったとしても。