青空-my blue sky-＊無神コウ＊ディアラバ＊ (ページ15)

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戻ってきたものページ15

side change
夕方。
学校について教室へ行くと、相変わらず周りの友達が話しているのは話題の「アイドル」の話だった。
「ねえねえAちゃん！」
話しかけてきたクラスの女子に返事を返す。
『んー？どうしたの？』
「無神コウくん、会った？」
『え？あー…いや、まだ見かけただけ、かな。』
「やっぱりそっかー！まさか、今ちょー人気のアイドルがこの学校に来るなんてビックリだよね！やばい～！」
『う、うん…そうだね』
アイドル…かあ。まあかなりカッコいいし…わかるかも。
こんな人気じゃホントに話しかけるのにも一苦労だよね…。
そんなこんなで、一日が過ぎ、下校時間に。

夜間学校の廊下ってすごく怖いんだよ。暗いし。
だから、一人ではなるべく通りたくないんだけど…あいにく今日は掃除当番の日。
残念ながら一人だ。こわい。
気を紛らわすのにでも、歌を口ずさむ。
この曲は、本当のお母様が昔教えてくれた、コウとの思い出の曲。
静かな教室の中で、声が静かに響いていた。
その時急に教室のドアが開いて、私は思わず歌うのを辞めた。
振り向くと立っていたのは、昨日から…いや。ずっと前から記憶にあるあの顏。
金髪に片目が隠れてる蒼い左目の少年。

『コウ…？』
「…うん。」
時が止まった、戻された気がした。あの時に。
あたりまえの幸せをつかんだ、あの日々に。
ぼーっと突っ立っていると、急にコウに抱きしめられた。
「A…っ！！よかった…ホントによかった…！！…ずっと、会いたかった。」
コウってば、アイドルなんだよ？
こんなところ誰かに見られたら大変なことになっちゃう…けど。
でも、久々に感じたその感覚が嬉しくて。
思わず言葉がこぼれた。

『私もずっと会いたかった…生きててよかった…』