第15話 ページ16
しまった。夜になってしまった。きっと魘夢に怒られるだろう。
それよりも心配なのは、夜には鬼が出るから人間である私は食べられてしまうのでは
ないかということだ。
どうしよう。誰かに道を聞こうっと。
こういう時に限って歩いている道に人はおらず、私は近くにあったベンチに座り込んだ。
星が綺麗だなぁ。魘夢が迎えに来る、なんて都合のいいこと起こってくれないかなぁ。
現実はそんなに甘くないか。
あれこれと考えているうちに急に眠気が襲い、私はいつの間にか居眠りをしてしまった。
私はハッと目覚める。どれくらい眠ってしまったんだろう。
帰らないと。人がいないなら、自力で帰り道を探さないと。
再び歩き出そうとしたその時、
「美味そうな人間がいるなぁ、、、、、、」
鬼に見つかってしまった。
見た感じこの鬼は下級の鬼。だけど一般人の私にはあの鬼に歯向かうなどできないだろう。
逃げなければ。
私は全力で鬼から走って逃げる。
でも当然、鬼の方が足が速いわけだからあっという間に追いつかれてしまった。
そして腕で力一杯押さえられた。
『グッ、、、離して!』
「久方の若者の肉なんだ。逃すわけあるか!このまま俺に大人しく喰われろ!!」
そういうと、鬼は鋭い爪をガリっと首に食い込ませる。
『い、痛い!!!』
鬼に傷をつけられるなんてこんなに痛みを感じるんだ。
その時だった。私の息がヒュッ、ヒュッとなり始めた。
鬼に襲われた恐怖で、喘息の発作が出てしまった。
苦しい。こんな所で死にたくないのに、、、!
「お前、喘息持ちだったのか。哀れだなあ。ここで俺に惨めに喰われるのは
凄く悔しいだろう?」
ここから逃げたいのに、喘息のせいで身体に力が入らない。
私の貞操もここで無情に終わるのか。
私は諦めて抵抗をするのをやめた。
「やっと諦めたか。俺に大人しく喰われるが良い、、、!」
死ぬ、と思ったその時、
魘「俺のAに触らないでくれるかい?」
魘夢のものすごく怒りに満ちた声がした。
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