第11話 ページ12
家に帰ると、私はお風呂を済ませベットに行く。
また今日もされるのだろうか。
「おやぁ?今日もすると思ったの?」
魘夢がにたぁってしながら聞いてくる。
『べ、別にそんなこと思ってないよ!?でも、そういう雰囲気になりそうだなぁって、、、、
ごめん!やっぱりなんでもない!!』
「隠してること、バレバレだねぇ。まあいいか。今日はするつもりはないよ。
毎日してしまったら、身体が砕けちゃうだろ?」
へえ、意外に気遣えるんだ。魘夢の意外な所を見れてドキドキする。
「今日は君の世界の話を聞きたい。君がいた世界はどんな感じだったの?」
『今より100年以上後から来たの。ここは大正でしょ?私がいた世界は
令和と呼ばれている』
「へえ、そうなんだ。その世界に鬼はいるの?」
『えっと鬼は、、、』
言おうとした所で口次ぐんだ。
私が鬼はいないと言うこと、それは鬼が全員倒されてしまったことを意味する。
魘夢が死ぬと言っているようなものだから。この真実はきっと
ずっと隠し続けるだろう。
『鬼はいるかは分からない。でも私が住んでいる周辺では見かけないな』
『へえ、君が住んでいる世界は楽しいの?』
「私は楽しいと思わない。親は私の世話をろくにもしないし、
学校に行ってもいじめられるだけ。正直生きている意味なんてないと、、、』
そこまで言って私は視界が滲んでいることに気づいた。
あれ、私泣いている?
『ごめん、急に涙が、、、あれ?止まらない?』
涙がポロポロ出てきた。
そんな私を見て魘夢は私の頭を撫でた。
「詳しい事情は知らないけど、辛いことがあったんだねぇ。
人間は逃げることを悪いように捉えているけど、俺はそうは思わない。
現実から逃げることも生きるための手段だからね」
魘夢に優しい言葉をかけられて、私はさらに泣いてしまった。
そっか。私辛かったのにずっと我慢してたんだ。
泣いたことなんて無かった。
今ここで全部吐き出してしまおう。
私はさらに声を上げて泣いた。
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