~ 誘引会 。sn

・ ページ31

.






話したい。だなんて言ったけどもちろん話す内容なんてない。
生徒会の人が考えてくれるはずもなく自分で話題を絞り出さないといけない







ー 窓際に誘導して。





それだけ言われて実行されたこの作戦。






話題を考えながら窓の前に行き、外を眺めると中庭に男女が居た。








もしかして…





｢ ひかる…くん ｣



目黒｢ なんかいた？ ｣





横に来て私と同じ様に窓の外に目をやると彼の動きが止まって
持っていたユニホームが手から落ちた。









目黒｢ …なんで ｣






中庭の2人は合わさってひとつになった。

そして数秒経つと少し離れて顔だけが重なり合う。





……これを見せたかったんだ、





隣を見るとさっきとは打って変わって酷く苦しそうに歪む横顔。








｢ 目黒く…、 ｣






目黒｢ あれ、俺の彼女 ｣





｢ え… ｣







辛いなら見なくていいのにあの二人から目を逸らさないのはどうして？




2人はどんどん激しくなって遂に照くんの手は彼女の足に触れた。








目黒｢ …っ、 ｣




｢ 目黒くん、見ないで ｣








…これ以上苦しまないで。



苦しまなくていいんだよ。








彼の肩を持って半回転させると力なく笑った。







目黒｢ 本当は薄々気付いてたんだけど
想像以上にきっついな… ｣






無理して笑わなくていいよ。目黒くん。








.

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す