過去 ページ26
それは…凄く前の話。
私と兄さんと二人で雪遊びをしていた。
お互いの雪だるま、二人で鎌倉を作ったりしていた。
その日の帰る時、
「待ってお兄ちゃん！」
「時間遅くなっちゃった…Aゆっくりで良いからね？」
少し小走りで走りながらも私に気使いをしていた。
そんな時、
高速度で向こうから走ってくるバイクが見えてくる。
「お兄ちゃん！！」
何かの鈍い音。急ブレーキが作動しなかったバイクにより、一瞬で赤いものが目の前を染めていった。
「…は、」
目の前の事に状況が理解出来ず、ただ手につく冷たい赤い液体を眺めていた。
次第に血の匂いに耐えきれず、そこで気絶してしまった。
―――――
目覚めたのは病院。
隣で母は泣いており、目覚めた私には目もくれなかった。父はいない。こんな大事な時にも自分の方がそれ程大事だったのだろうか。
「お、おか…あ、さん…？」
ようやく捻り出した声で母の声を呼べば、母は泣くのをやめてこちらに視線を向けてくる。
その視線は、冷たい物で。
幼かった私にも理解出来てしまった。
「なんであんたが…あんたが生きてんのよ！！！」
その一言で頭が何かでガンッと殴られた気がして頭が痛かった。
ナースコールを押せないほど痛かったのに母は冷たい視線をこちらに向けるだけ。
そこでようやく気がついた。
私…いや、自分は
親に愛されていなかったんだ。
ⓕⓘⓝ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいな(プロフ) - 彩結さん» コメントありがとうございます！オリフラ…立ててないはずなのに…1度確認してみます！御報告ありがとうございます！(ｺｿｯ) (2022年9月4日 22時) (
レス) id: a2749f031c (このIDを非表示/違反報告)
彩結 - たまたま見つけて１からちゃんと読みました！めっちゃ面白かったです！！！(オリフラついてます(ｺｿｯ) (2022年8月18日 12時) (レス) @page2 id: d9bdf40d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆいな | 作成日時：2022年8月17日 17時
