お水最強説 ページ4
自称ヒーローに連れられて、やってきたのは警察署のような大きな場所
大人用の服を着せられて、大分不恰好だが
目の前の数々のご馳走がその事を忘れてさせる
めちゃくちゃ美味しそう。
なにこれ、食べいいの？は？なんか光ってるんですけど？うあぁぁあ…お腹鳴ってるぅ…
「食っていいぞ」
やっぱり優しいな、自称ヒーロー。
でも、どこかで見たことあるんだよね
この顔……どこだ？？
ま、いいか
ガッと勢いよくフォークをとって、握りしめてとりあえず肉(？)にぶっ刺して口にいれる
面白いくらいに手に力が入らなくて握りしめているのに、フォークが安定しない
顎を動かして噛んでみるが味がしない
『…………？？』
無味……
確実に美味しいであろうこの肉(？)の味がしないことに首を傾げる
違う料理も次々に口に運ぶが、やっぱり味はしない
……もしや、私何かの病気？
えぇ………
段々と粘土を噛んでいるように感じてきて、吐き気がする
フォークを置いて、急いで水を喉に流し込む
美味しい。
え？は？
水が嘘みたく馬鹿美味しく感じる
味はしない…と思う
自分でもよく分からなくなってきて、もう1度水を飲んでみるが
やっぱり、さっきまで食べていた料理よりも断然美味しい
お水最強説
この料理たちはもういいな…
吐きそうだし
「…どうした」
考えていると、自称ヒーローが心配そうに聞いてくるので、唯一のコミュニケーションのバツマークを出す
これ以上はいらないですよって意味だけど、分かってくれるかな
「もういらないのか」
やべぇ、通じた
こくこくと頭を上下に振る
「……わかった、
これからいくつか質問する、答えろ」
だから、話せないんやて←
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作者名：結 | 作成日時：2018年2月17日 19時
