一筋の光

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奈菜､起きてって慶子先生が声をかけてくれた｡

どうやら､泣いたまま寝ちゃったらしく慶子先生の腕の中で目を覚ました｡

慶子先生に迷惑かけてごめんなさいと謝ると、｢迷惑なんて思ってないし､ごめんなさいじゃなくてありがとうにしようって前に話したよね。
どう､ゆっくり休めた?｣って｡


そう言われればなんか前よりも体が軽く動きやすい。


慶子先生は私のベットに椅子を寄せ､ご飯をテーブルの上に置いた。

どうやら一緒に食べるらしい｡

多分、私が食べないのをわかってるから。

でも､言われると絶対にやらなきゃいけないって思ってるから､声をかければ食べることを知ってるから｡


食欲は全くと言っていいほどない｡



家族を失って､家に1人のときは全然ご飯を食べなかった。


だからなのか､食べたいとも思わないし､お腹も空かない。


でも､1/4くらいは頑張って食べた｡



たったそれだけしか食べてないのに、慶子先生は頑張ったねって頭を撫でてくれた。


それから、
｢これから教室行かなくてもいいって､唯翔先生から連絡あったよ。学校にさえ来れば全部の授業出席にするって｡だから､これからずっと保健室で一緒に勉強しよ｡手の空いてる先生が教えてくれるらしいから､普通教科も専門教科も一緒に勉強しようよ｡｣


って｡



去年､どの教科も真面目に一生懸命やってよかったなって思った｡

自分のやってたことは間違ってなかったんだって｡

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