恋をすると (ページ5)

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｢結局来たの5人くらいだったね｣

『ですね、めちゃめちゃ暇でした』

｢もうそろそろ閉めよっか。暗くなってきたし｣

『わたしちょっと御手洗行ってきます、』

｢ん、準備して待ってる｣

ある程度の作業を終えて、随分日も暮れてきた。

特に約束とかはしていないけど、もし皇輝先輩と帰るってなった時に少しでも可愛い自分でいたいから少しトイレでほんとに軽くお色直し。

『あーーー、、』

楽しみなはずなのに、
ドキドキして上手く笑顔が作れない。

暫く鏡の前で立ち尽くしてはみてたけど、
皇輝先輩を待たせていることを思い出して小走りでその場を離れる。

『、ん？』

図書館の入口のすぐ手前で、
明らかに道に迷っている様子の男の子。スリッパの色からして多分1年生。

『あの、』

声をかけないわけにもいかず、
恐る恐る彼の顔を覗き込む。

『道、わかんない？』

、、、

｢A先輩、｣

『は、？ちょ、っ …』

やばい状況が掴めない。

『ちょ、だれ。なにすんの …！きもい！！』

｢ひどい、俺たち付き合ってますよね？｣

｢おい黒田｣

『え、？』

｢あ、檜山くんだ｣

『あんたなんでまだいんの、』

｢ん、なんとなく｣

つか離れろよ。と我に返った檜山によって
当の彼から解放される身体。

｢いいとこだったのにい｣

『なんもいいとこじゃないし、ほんとにだれ？』

｢もう忘れたんですか、？｣

｢ほら、あいつ。試合の｣

『あーあの子。いやだからって今のに納得は出来ないけどさ』

｢あまりにも可愛かったもんでつい、｣

｢珍しいよ、こんなん好きになるとか｣

『は？？？』

そう少し嘲笑いながら私の髪の毛をくるくるして遊びだす檜山。かなり腹が立って1発蹴りを入れてから前髪を整えて皇輝先輩のところに戻った。

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