恋をすると (ページ29)

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｢で、？結局それでいいの？｣

『もちろんですよ。』

｢前から思ってたけど。｣

あんたほんとにチョロいよね。って真剣な顔で私を指さす瑠奈。
自覚はかなりあるからなんにも言い返せない。

｢え、。あれ、｣

『ん、？』

週に何度か開放される校舎の屋上。
校内全体が見渡せるここは、新学期はいつも人で溢れかえるけどみんな割とすぐに飽きてパッタリ来なくなる。
JKっぽいじゃん。なんて懲りずに毎週通ってるのはきっと私たちぐらい。

温い風に当たりながら遠くを眺めていた瑠奈。突然グラウンドの方を指差して、あれ？なんて呟くから気になって指差す方を見てみたら、見覚えのある背中。

｢檜山くんですか、？｣

『うーーん。檜山くんですね。』

｢あの雰囲気、絶対さ…｣

『告白だよね、。』

｢しかもあれ去年の体育祭でも檜山に告ってた子じゃん｣

『ん～、覚えてたり覚えてなかったり』

｢めっちゃ可愛いよ。リナちゃん、｣

『え、あのミスコン上位の子？』

｢そうだよ。檜山くんいいご身分だわー羨ましい｣

『ついにじゃん。』

｢え、？｣

『やっと檜山にも女ができるんだよ、。』

なんか嬉しくない？って瑠奈を見上げたら、呆れたように大きなため息をつかれる。なんだなんだ、なんのため息だ、。

｢OKするとでも思ってんの、？｣

『え、逆にしないの？』

｢する訳ないじゃん。バカなの？｣

『ここでOKしないのがバカでしょ。』

余りにも自信たっぷりに言うから必死に反抗してたら、
ほら見てみ、ってまた同じように2人の方を指差す瑠奈

『え、』

｢かわいそーに｣

彼女に頭を下げる檜山と、
少し俯きがちに檜山の元を去るリナちゃん、

2人の声は聞こえなくとも、お互いの反応で想像出来る。
瑠奈の言う通りの結果になった。

｢ほんと、一途なんだねあいつ｣

『ねえ檜山の飯友探ってよ』

｢え、？なんで｣

『好きな子と飯なんかしょっちゅう食ってるわ。って檜山が』

｢はーー、ほんとあんたも檜山に似て大バカだわ。｣

『ミスコンガール振る奴と一緒にしないでよ』

次檜山に会ったら問い詰めてやるマジで。

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