恋をすると (ページ23)

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「おはよ」

『、ん』

寝てたらしい。

目が覚めたら檜山のベッドの上。
足元にはブランケット1枚を羽織って眠っていた様子の檜山さん。ごめんねベッド占領して。

「１回帰る？」

『んんー、制服ないしなあ』

「制服なら姉ちゃんのあるけど」

『え、ほんとじゃん。』

「持ってくるわ」

檜山光成やるう〜！！！
檜山のお姉さんもやるう〜！！！！！

『あーりーがとーー』

「は？ここで脱ぐなよ」

『思春期かよ』

「うるせえそれなりに思春期だわ」

何も気にせず着ていたスウェットをその場で脱ぎ出す私を精一杯の力で制止させてくる。可愛いなあ思春期め！！

『髪の毛やってよ』

「嫌だわ面倒臭い」

『けーち！！！けち！！』

「いつも自分でやってるならやればいいじゃん」

『新しい私も見てみたいでしょ？』

「ああもう、座って」

『やったあ！』

私よりもうんと器用な手つきでいつもみたいにセットしてくれる。
日に日に上手くなるからちょっと腹も立ってる。

『まじでなんで彼女出来ないのかな』

「、え？」

『ここまでくると心配だよ。結婚できんの？』

「うるせえな。」

『だってあんた良いとこしかないよ？』

勉強運動に楽器まで出来てさらにはヘアセットまで出来ちゃってそれなりに料理もできて気配り上手で、私には塩だけど挙げたらキリがないくらいにはいいとこしかない。

「それなら、お前が彼女になれよ」

『、、』

ん？

『え、今なんて言った？』

1度停止させた頭をもう一度動かして聞き直す。

「Aが彼女になって。そこまで言うなら」

やっぱ聞き間違いじゃない。

『え、なに。告白？心の準備できてないんだけど』

「まじでだるいわ。」

『えちょ、まってどこ行くの！！』

「先外でてる。」

勝手に言って勝手に照れて何怒ってんだよ。

そこから檜山が中途半端にやり残していたヘアセットを仕上げて外に出るまでまでの間、さっきのあまりにも真剣な表情が頭から離れないでいた。

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