恋をすると (ページ22)

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カフェを出て向かうのは檜山の家。
私の家より近いってこともあるし、何かあって話を聞いて貰う度場所は檜山の家がお決まり。何でかは分からないけど。

今日はたまたま私の大好きな檜山のままぱぱは結婚記念日でディナーに行っているらしく、家には誰もいない。

「それで、そのまま帰ってきたんだ」

『ん、そう。』

今日のこと、ひとしきり話し終えて
ちゃんと皇輝先輩の前では泣くの我慢したんだよ。って檜山にドヤ顔をするも、いつもみたいにはいはい、って笑ってはくれず、私の目をじっと見てくる。

『、なに。なんかついてる？』

「偉いじゃん。」

『、え？』

よく我慢したよ。
　

そう私の頭に乗せられる暖かい手。
あまりにも優しい檜山の声に気づいたら涙が溢れていた。

『っ、ごめん』

「大丈夫。俺しかいないから」

規則正しく背中をさすられる度に、
どんどん溢れてくる。

『、ねえ』

「なに」

『なんで、最近優しいの？』

「は、？」

『最近っていうか今日？』

私がいつもの調子じゃないのと同じように、
檜山もどこかいつもの感じじゃなくて、

やけに優しい対応に
頭の中は軽く混乱状態。

「泣かれた時の対処法知らないから」

『、え？』

「俺にはこんくらいしか出来ないよ。」

そうふわっと落ち着いた檜山の香りに包まれる。
目の前が真っ暗になったのと、背中に回る檜山の腕に抱きしめられていることに数秒後気がついた。

『ん、ありがとう』

もういいよ。
一向に離してくれそうにない檜山の胸板を押し返すけど
どこにそんな力があるのか不思議になるくらい頑なに離れてくれない。まじでおかしいなんか変この男。

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