恋をすると (ページ13)

今日:30 hit、昨日:23 hit、合計:52,750 hit

13 ページ13

・

｢A先輩、？｣

『、ん？』

｢なんかありました？｣

『え、？』

｢檜山くんと｣

『ううん、特には』

｢ふーん、告られたりでもしました？｣

『は！？なわけ！』

｢焦りすぎ、図星ですか？｣

私の反応を見て、ケラケラ腹を抱えて笑い出す黒田光輝。
許さない。絶対に許さない。

｢俺が告った時は焦りもしなかったのに｣

『あれは告白になるの？』

｢なりますよ。立派な告白、｣

『そもそも、あの時が初対面なんだよね私たち』

｢俺はもっと前から知ってたんで｣

『いや私1回も見たこと無かったし』

｢え、うそ覚えてないんですか？｣

『怖い怖い、なんかした？私』

花火に夢中な皇輝先輩に気を取られながらも、
黒田くんの話に耳を傾ける。

『はあ？そんなん覚えてるわけないじゃん』

｢俺にとっては大事な出来事だったんですから！！｣

今年の体育祭で、彼が私の足を踏んでしまったらしい。
それだけ。らしい、びっくりした。

試合の時あんなに少女漫画出してきたくらいだから
肩ぶつかって〜とか場所分かんなくて〜とかあるのかと思ったら
どうやらほんとに私が足を踏まれただけらしい。
私覚えてないしね全然、

『てか人の足踏んどいて大事な出来事ってなに？』

｢いやその時に、惚れた！ってなったんで｣

『わたし一目惚れされるような顔面じゃないんだけどなあ』

｢うーん、まあ｣

『は？なにその微妙な感じ』

黒田くんに呆れて、少し遠くで瑠奈と瑠奈のお兄さんである翔馬くんと楽しそうにはしゃいでる皇輝先輩に目を向ける。

｢見すぎ、｣

『今日ビジュ良すぎない？』

｢俺っすか？｣

『川﨑皇輝君です』

はあ、、だめだかっこいい、、
手持ち花火を両手に持ってはしゃぐ皇輝先輩に見惚れてたら
突然ぐらんと揺れる視界。

と、黒田くんの両手によって包まれる頬

『手熱い、なに。』

｢嫉妬です｣

『あらかわいい』

｢俺にも少しはドキドキしてください｣

『悪いけどあと3年は皇輝先輩以外に、』

私の言葉を遮るように口元に置かれる黒田くんの指。
ひたすら戸惑う事しか出来ない。

｢これ以上振らないでください、｣

熱を持った彼の手と、わたしを捉える様な視線に
どうしても彼から目が離せないでいた。

・