sable ページ36
・
『ほんっっっとにごめんなさい！！』
「もういいって。分かったから、」
ちゃんとこうやって来てくれたじゃん。って
颯太の大きな手で涙でぐしゃぐしゃになった顔を包まれる。
『颯太、浴衣似合ってるね。』
「7年ぶりだよ。Aの前で着るの」
『7年？』
「そう。小6の時が最後、」
そう私の目を見て呟いた後に、
とか言ったらまた幼馴染感出ちゃうじゃん〜って
自分の頭をポカポカ叩き出すから、
出てないよ大丈夫、と笑いながら颯太の手を止める。
『でも、ごめんね』
「んえ？」
『約束したのに。浴衣、』
「ううん、来週見るから良い」
『来週？来週も一緒に来てくれるの？』
「うん。当たり前じゃん、」
今日のことで怒らせてしまったから、来週は一緒に行ってくれないと思ってたけど、 次も来ようよ、って案外けろっとしてる颯太を見て一安心
そういえば、来週の2日目のお祭りは毎年花火上がるんだっけ、なんて考えてたら膝に置いていた手がふわっと持ち上げられる。
『、ん？』
徐にポケットから金属のような何かを取り出して、
私の指に填める颯太に呆然としていると、ぱっと離された手。
違和感のある指を見てみると、
『缶、、のフタ…？』
「そう。覚えてる？」
覚えてる？と颯太の声に一気に蘇る7年前のこと。
〜
「A、誰と結婚するの？」
『何いきなり。』
あの時はもう小6で、
そういう話はどうしても照れ臭くなってしまう年頃だった。
「する人いないなら、俺が旦那さんになってあげるよ。」
『は、？』
「はい、手出して」
『やだ。』
「いいから、」
『ちょ、いたいいたい、！！』
抵抗する隙を与えず、無理やり指に付けられたものは
今まで飲んでいた炭酸飲料の空き缶のフタ。
そうか、あの時も 2人でお祭り来てたのか。
〜
不安げに私の顔を覗き込む颯太に、
まだガキんちょな颯太くんが結婚の予約の為の指輪！って付けてくれたやつでしょ？って笑ったら
不服そうに、でも満足気に笑う颯太。
良かった。俺のミニプロポーズ忘れてなかった。って、
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なそそ(プロフ) - ucst0307さん» うわあもうまさに私がお届けしたかったのがハラハラきゅんきゅんなのでめちゃめちゃ嬉しいです(;_;)是非是非！読み返して頂けたら幸いです、！お付き合い頂き有難うございました!! (2021年4月1日 15時) (
レス) id: 98a4674b54 (このIDを非表示/違反報告)
なそそ(プロフ) - はるかさん» 本当に嬉しいです、！あまり更新出来ていない時期もありましたが最後まで読んで頂けたらと思います！お返事遅れてしまって申し訳ありません(><)お付き合い頂き有難うございました!! (2021年4月1日 15時) (レス) id: 98a4674b54 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - ついに終わってしまいましたね（ ; ; ）ずっとハラハラきゅんきゅんしながら読ませていただいてました！絶対読み返します！ありがとうございました！！ (2021年4月1日 12時) (レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 作者様のお話、ordinaryがほんとに大好きでいつも楽しく読ませて頂いています！更新楽しみにしてます。これからも頑張ってください！！ (2021年3月21日 13時) (レス) id: ba6e4ad784 (このIDを非表示/違反報告)
なそそ(プロフ) - あおおおおんさん» やばいですか！？？ありがとうございます！！（？）更新頻度はあまり高くないですがこれからも読んで頂けると嬉しいです(><) (2021年3月7日 15時) (レス) id: 9bade5f072 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なそそ
| 作成日時：2021年1月23日 15時
