Chéri ページ31
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気づいたら音を立てずに小さく歩き出して 無意識に目をやったその光景に 息が詰まる。
動けずに、声も出せずに、ただその場に立ち尽くしていると、バチッと効果音が付くほど目が合ってしまった私と希咲
今にも泣き出しそうな、絵に書いたような酷い顔をしているであろう私を見て、ニヤッと笑った瞬間皇輝の首に手を回してより距離を縮める。
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私がどれだけ願っても届かなかった場所 。
愛しくて仕方ない皇輝の隣をいとも簡単に、
何より、私の気持ちを知った上での希咲の行動に悔しさでいっぱいになる。
やっと動いてくれた足。
スマホと化粧水などが入った小さなポーチを片手に濡れたまんまの髪で玄関の扉に手をかけると、
「、おわ、っ …」
「 えっ…、?」
「…なにしてんの、」
「鍵忘れてったでしょ、」
そう言って、数時間前教室で颯太が指に填めてくるくるさせていた私の家の鍵を同じように揺らして、届けに来たの〜ピンポン押しても出ないからさ と笑う黒田。
「あ、 ありがと…」
「どうした、?」
「なにが、」
「格好もだし、いや髪びしょびしょじゃん風邪ひくって、!」
と、中に戻れと促す黒田の手を止めて、
「…ごめん、今は家いたくない、」
「、え?」
不思議に思い少し目線を下げた黒田。
私のものでは無いローファーが目に入ったのか、無言で私の手を引っ張って暗い夜道を歩き出す。
「どこいくの、 」
「、…俺ん家」
颯太と同じくらい私の気持ちを知ってくれているだけあって、何も聞かないでいてくれる黒田の優しさに甘えてみる。
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なそそ(プロフ) - カスミソウさん» 細かいところに注目して頂けてとても嬉しいです(;_;)とても励みになります、、!!有難うございます。頑張ります!! (2021年3月21日 16時) (レス) id: 9bade5f072 (このIDを非表示/違反報告)
カスミソウ(プロフ) - 平塚くんの「堂々と好きでいていいんだよ、」という言葉がなんかいろいろ心に響きました、、ordinary大好きです!焦らず、作者様のペースでゆっくり更新まってます!大好きです。 (2021年3月15日 10時) (レス) id: 6db1a71cd8 (このIDを非表示/違反報告)
なそそ(プロフ) - たぬらさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです、、後数週間は頑張れます有難うございます、!少しでも多くお話を書くよう心がけるので是非これからも読んで頂けると幸いです、! (2021年1月10日 5時) (レス) id: 1a9c982c73 (このIDを非表示/違反報告)
たぬら - 続きが見たくてしょうがないです、、、。 (2021年1月8日 13時) (レス) id: 0545fdce9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なそそ | 作成日時:2020年11月30日 2時