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平野「すいません、ちょっとだけ向こう行ってきていいっすか」
俺は撮影の合間にちょっとだけAの元に行き、
共演者が自由に使えるように置いてあるブランケットを
そっとAにかけた。
A「………っゆうた…」
その時、Aは目を瞑ったまま岸くんの名前を呼んだ。
完全に寝言。
でもこれは神宮寺勇太じゃない。岸優太だ。
分かってはいたけど、
やっぱりAの心のどこかに岸くんは常にいて、
俺は岸くんの代わりになんてなれない。
分かってたことなんだけど再確認させられると少し辛い。
俺はAから逃げるように撮影に戻った。
撮影終わるまでもう少し寒いけど待っててね。
＊＊＊
撮影が終わった。
Aはあれからずっと寝ていて1回も目を覚ましていない。
平野「A〜お待たせ、帰るよ。」
A「んん〜〜〜抱っこ〜して〜〜」
完全に目が覚めていないAは俺に少し甘えている。
さっきまで岸くんの名前を呼んでて悔しかったのに
こんな風に甘えられちゃったらもうあんな苦しさ忘れちゃう。
平野「はいはい。笑おんぶするから背中に乗って？」
俺はAの目の前にしゃがんだ。
すると軽いAの全体重が俺にのしかかる。
本当にちゃんと食べてるのかな？って心配になるぐらい
Aの体重は軽い。
平野「待っててくれてありがとうね。」
俺は車までAをおんぶしながら話しかけた。
A「だって私今日紫耀に酷いこといっぱ〜〜い……」
平野「分かった分かった笑眠いなら寝てていいよ笑」
眠くてAの頭は働いてないみたい。
そんなところも愛おしく感じてしまう。
とりあえず車に到着したのでAを降ろした。
今日はロケバスでロケに来たのでロケバスで家の近くまで帰る。
風邪ひいてないといいな……。
＊＊＊
Aside
目を覚ますと朝だった。
あれ？何で私家に……？
昨日は紫耀の撮影が終わるのを待ってて、
そのまま外で寝ちゃってたはずだよね…？
どうやって家に帰ったんだろう……
なんてぼんやり天井を眺めながら呑気に考えてた。
見慣れない天井。
あれ……？
ここ本当に私のお家！！？！？！？
A「ここどこ！？！？！？」
私は自分にかけられていた布団を全部跳ね飛ばして
勢いよく起き上がった。
それと同時に。
ｺﾞﾂﾝ
頭に鈍い音と衝撃が走った。
A「いったぁぁぁぁ……！」
??「いってぇ……」
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作者名：ゆうか | 作成日時：2022年9月7日 21時
