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A「謝らないで？紫耀のこと応援してる。」
紫耀はニコって笑ってすぐ撮影現場に戻って行った。
ほっぺに肉のタレがついたまま。
肉で殴られた後のシーンを撮影するみたい。
帰ってていいよ〜とは言われたものの、
今日の私は紫耀に対して酷いことをしてばかり。
ドッキリも仕掛けて肉で殴って……
どう考えても、何度考えても最低だよ…
だからせめてもの恩返しとして、私は紫耀の撮影が終わるのを
待つことにした。
共演者の人が座っている簡易的な椅子に私も座る。
撮影が終わって我に帰ってみると急に寒さが私を襲った。
そうだった、ダウン持ってくるの忘れてたんだった。
でもここで帰るわけにはいかないし…。
スタッフ「あれ？Aさん…？撮影終わったんじゃ…」
A「紫耀が撮影終わるまで待っておこうと思って。
今日ちょっと酷い目に沢山あわせちゃったので…」
スタッフ「でも紫耀さんに今日は早く帰りなさいって
言われてませんでしたか？
2人とも長時間のロケや撮影だったし疲れもあると思いますよ？」
A「それはお互い様なので。
好きで待ちたいから待ってるんです。」
スタッフさんは私を気遣って帰らせようとしてくれるけど
どうしても帰りたくなかった。
スタッフ「風邪だけは引かないでくださいよ？」
A「ありがとうございます。
私バカなので風邪引きませんよ！安心してください笑」
バカは風邪ひかないってよく言うしちょっとの寒さぐらいで
風邪なんて引くわけない。
＊＊＊
平野side
平野「はい、分かりました。やってみます。」
監督の指示のもと、とあるシーンを少し撮り直すことに。
なかなか慣れない演技にやっぱり俺は少し苦戦した。
だからこそAには先に帰って欲しいって思ってたのに。
ふと機材がたくさん置いてある場所の椅子を見ると
そこには寒さに耐えているAの姿が。
しかも上着も着ないで凍えているのが遠くから見ても分かった。
平野「あの、スタッフさん。」
スタッフ「どうされました…？」
平野「Aに俺の上着を着せてやってください。
俺しばらく撮影で上着は着ないと思うし。」
俺は普通ならここで
"Aを家まで送ってください"
とか
"Aを帰らせてやってください"
とか言うところをそうは答えなかった。
だって、Aが俺のこと必死に待ってくれてるのに
そんなこと言うなんてすごく失礼じゃん。
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作者名：ゆうか | 作成日時：2022年9月7日 21時
