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A「そう。笑」
平野「Aってすごく握力強いから怖いなぁ笑」
A「怖くないよ！笑またこうやって手繋いであげるね！」
平野「それは怖さの種類が違うんだよ笑」
ドラマの撮影だから仕方ないところがあるのは承知なんだけど
ドッキリも仕掛けられて撮影で肉でぶっ叩かれて…
なんか申し訳ないな。
平野「あ、今申し訳ないなって思ったでしょ？」
A「は！？何で…」
平野「ずっと一緒に仕事してるからそれぐらいのこと分かるよ。
申し訳ないって思いながら俺のことぶっ叩いたら
今度は俺が肉でAのことぶっ叩くからね！？」
A「そんなシーン無いから叩かなくていい！笑
じゃあもう容赦なく叩くからね？」
平野「うん！かかってこい！！」
こうやって私がお仕事をしやすいような環境を紫耀は
いつも作ってくれてる。
これだから紫耀とのお仕事は楽しい。やりやすい。
手を繋いだまま私たちはバスの窓から
変化し続ける外の景色を眺めている。
平野「うわ〜〜みんな寒そう。
撮影も温かくして進めないと風邪ひいちゃうね。」
まだ1月の後半。
温かくなる季節はもう少し先。
分厚めのダウンやコートを羽織っている人たちが
たくさん歩いている。
私もそろそろダウン用意して外に出る用意しなきゃ…。
そう思って私の周りに置いてあったダウンを羽織ろうとした。
けど。
あれ？置いていたはずのダウンが無い。
平野「どうしたの？何か探し物？」
ダウンが無い！って言おうと思ったけど、
そんなこと言ったら紫耀は自分のダウンを差し出すだろう。
そんなことされたら紫耀が風邪引いちゃう。
だから私は笑って誤魔化した。
A「ううん！大丈夫！！」
紫耀の優しさに甘えてばかりじゃダメだ。
そう思ったから少し私は強がってみせた。
ロケ地に無事に着き、私と紫耀は手を離してバスから降りた。
平野「俺の方が今日は撮影長いみたいだから
先に帰ってていいからね。
今日は午前中からいろんな撮影あったし疲れてるでしょ？」
どこまでも女性に対して紳士な紫耀は私の体調を気遣って
優しい言葉をかけてくれた。
A「分かった！！じゃあ紫耀を肉でぶっ叩いてから
すぐに帰ります！そして明日の撮影に備えます！！」
平野「いい返事と気合いですね！」
紫耀はそう言いながら満面の笑みでこちらを見つめ親指を立てた。
でもやっぱり外は寒い。
ダウン無しじゃ流石にキツいな…。
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作者名：ゆうか | 作成日時：2022年9月7日 21時
