episode３★｡.* ページ5
廣瀬side
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その日の放課後、私は再び渡り廊下へ向かう。
今日は何を描こうか。そんなことを考えながら校庭の方を見た。
私がいる渡り廊下の下の中庭を抜け、少しずつ部活をやりに人がやって来る。
人を描くのはあまり好きじゃない。綺麗だと思わないから。
もう中庭を通る人がいないのを確認して、校庭から中庭に視線を写すと、そこに綺麗な紫陽花が咲いていることに気付いた。
ただ、ここからじゃはっきりとは見えない。
いつもより少しだけ身を乗り出した。
その時、ピンクのサラサラな髪が私の目に入った。
もう部活は始まっている。遅刻だろうか。
いや、そんなことはどうでもいい。
問題は、私がその人の頭の上に消しゴムを落としてしまったということ……。
？｢いてっ……？｣
やばい。見つかる。
そう思った時にはもう遅かった。
彼は振り向いて、上を見上げた。
青緑色の瞳と、私の目が合わさる。
？｢いた！｣
彼は突然そう言って、私を指さした。
かと思ったら、すぐに下駄箱の方へ走り出した。
廣｢……？｣
当然の反応だろう。私は頭にはてなを浮かべた。
それから数十分……
ガタッガタガタッ。
廣｢！｣
ここに入るためのガラクタの方から、物音が聞こえた。
？｢うわっ！？｣
つまずきそうになりながら私の前に姿を現したその人は、私の見るなりほっとしたように笑った。
？｢やっと見つけた…。｣
彼がここに辿り着いてしまったこの時から、
私の歯車は狂いだしたんだ。
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2019年6月22日 15時
