episode36★｡.* ページ38
廣瀬side
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霧｢廣瀬。ちょっといいか？｣
廣｢霧野くん。｣
次の日の朝、うちのクラスに来た霧野くんを見て私はすぐに席を立った。
廣｢珍しいね、どうしたの？｣
霧｢いや…昨日のことで。｣
廣｢あぁ…｣
賑わう廊下の隅で、急に気まずい空気が走る。
昨日はあまり気にしていなかったけど、よくよく考えれば大変なことをしてしまった。
そう感じていたのは、霧野くんも同じようだ。
霧｢ご…ごめんな、俺だけ色々話しちゃってさ…｣
廣｢そんな…こっちこそごめん。急に連れ出したりして…せっかくあの2人と一緒だったのに。｣
霧｢いや、むしろ抜け出せて良かった。それに…｣
廣｢？｣
霧｢あんなに自分の気持ちを正直に話せたのは初めてだ。本当にありがとう。｣
霧野くんは、頬を赤らめながら笑った。
ドキッ──────。
廣｢…うん。私も嬉しかった。｣
私も笑顔でそう言った。
その後霧野くんとは分かれ、教室に戻る。
すると、茉白はすぐに私に駆け寄った。
三｢霧野くんと何かあったの！？｣
廣｢何かって……｣
昨日のことが頭に浮かび、無性に恥ずかしさが湧く。
廣｢べ、別に何も無いよ。｣
三｢嘘だ！絶対何かあったよ！もしかしてやっと…｣
廣｢ほら茉白、授業始まるっ。｣
三｢あ、はぐらかした！あやしぃ〜｣
そんなことを言う茉白は、どこか嬉しそうに見えた。
が、この時の私は浮かれすぎていた。
忘れていた。何もかも。
彼の好きな人。彼の存在。
彼がどれだけ人気で、どれだけ有名人なのかも。
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2019年6月22日 15時
