君と描きたい未来がある (ページ29)

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episode27★｡.* ページ29

廣瀬side

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駅を出て、いつもより少し早歩きでバイト先に向かう。

霧野くんが、中学のチームメイトと一緒に店にいるらしい。

まだいるだろうか。会えるだろうか。

そんなことを考え胸を弾ませながら、店の扉を開いた。

廣｢！｣

目の前には、霧野くんと知らない女の子の姿。

目を細くして笑っていた霧野くんは、すぐに私の存在に気付いた。

霧｢廣瀬。｣

廣｢…霧野くん…｣

カバンに触れていた手を、ぎゅっと握りしめる。

？｢お友達ですか？｣

霧｢あぁ。ていうか、神童に用あったんじゃないのか？｣

？｢あ、そうだった！｣

女の子は、小走りで神童くんの元へ向かった。

廣｢…可愛い、子だね。あの子もサッカー部だったの？｣

霧｢名前はマネージャーだよ。｣

廣｢そうなんだ。｣

しばらくして、霧野くん達は店を出て行った。

廣(名前呼び……それに、あの顔……)

彼女と話していた時の霧野くんのあの顔を、私は初めて見たかもしれない。

まるで愛おしいと、そう言ってるような。

彼女だろうか。そんな話、聞いたことないけれど。

廣(知らなかったな……)

私は、ただ純粋にショックを受けていた。

どうして言ってくれなかったのだろう。

チクッ──────。

彼女がいるのに、私と2人で会っていたなんて。

廣(知りたく、なかった…)

霧野くんが、まさかそんな人だったなんて。