君と描きたい未来がある (ページ17)

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episode15★｡.* ページ17

廣瀬side

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霧｢夏だなぁ……｣

廣｢夏だねぇ……｣

渡り廊下の屋根の影に座り、蝉の声を聞きながらのんびりと過ごす夏休み。

霧野くんは部活が終わってすぐ私に気付き、ここにやって来た。

霧｢今日は何描いてたんだ？｣

廣｢中庭に綺麗な蝶が止まってたの。急いで降りて、描いちゃった。｣

彼に絵を見せる。

霧｢ほんとだ、綺麗だな。｣

そう言って、霧野くんはペットボトルのお茶を飲んだ。

そう言えば…こんな暑いのに、家を出てから一滴も飲んでない。

飲みたい…でも自販機まで行くのは面倒臭い…。

1人でそんな葛藤をしていると、霧野くんはそれに気付いたようで、

霧｢飲む？｣

と、私にお茶を向けていた。

廣｢いいの？｣

霧｢うん。｣

廣｢ありがとう！｣

私はそれを受け取り、1口飲み込む。

その瞬間口の中が潤され、何だか気持ちが良くなった。

その後、すぐにここにいるのが私と彼だけで良かったと思った。

もし他の女子がいたらと考えると……

ゾワッと寒気がする。

それでも、少しの優越感に浸って、気分が上がった。