親友の好きな人 ページ6
ユキside
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叶｢かっこいいなぁ……｣
かなめんが。屋上から校庭を見下ろして言った。
さ｢あぁ、三井くん？私タイプじゃなあい。｣
ユ｢あんなののどこがいいのよ？｣
叶｢あ、見た！？今シュート決めた！｣
み｢今のかなめんに何言っても通じないよ…。｣
かなめんこと、菊池 叶芽。
私の中学からの同級生で、親友。
その親友が、今絶賛片想い中である。
叶｢この間先生に頼まれてノート職員室まで運んでたんだけど、手伝ってくれたの！サッカー上手いだけじゃなくて優しいとか、もう罪だよね！｣
かなめんのこんな顔を見るのは、かなり久しぶりだ。
恋、してるんだなぁ…。
私を好む女子は、おそらく少ない。
その理由は明確で、自分でも自覚している。
"男好き"、"ぶりっ子"、"たらし"。
男好きというか、女子より男子のが話しやすいだけだし。
ぶりっ子は普通でしょ？女子なら可愛く見られたいじゃない。
たらしって言われたって、欲しくても好きな人なんて出来ないんだもの。
そうやって自分に正直に生きるようになってから、私は1人になることが多くなった。
怖いと思ったことは無い。それが私だからだ。
ありのままに生きてそうなっても、特に悲しくない。
それに私には、彼女達がいる。
彼女達が幸せなら、笑っていられるなら、私と笑ってくれるなら、それが私は幸せに感じる。
だから……
ユ｢…よしっ！かなめん、私が審査してあげる。｣
叶｢審査？｣
ユ｢そう。これから私は、全力で三井くんを落としにいく。それで落ちちゃったら、失格。落ちなかったら、合格！どう？これで三井くんの一途さが分かる。｣
叶｢えぇ、でもそれ、なんかなぁ……｣
ユ｢決まりね！じゃあ行ってくるー！｣
叶｢あ、ユキ〜！｣
後ろから聞こえる声を無視して、私は屋上を出た。
……もしこの時、立ち止まっていたら？
私が、審査するなんて言わなかったら？
ほんの少しでも、彼への気持ちは減っていたのかもしれない。
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年11月4日 14時
