生きる理由 ページ47
咲月side
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真｢授業中だよ愛生。何やってんの。｣
"頑張れ"とか、"死なないで"とか。
そんな言葉、私はいらない。
でも、知らないフリして止めようとする真央の言葉はもっといらない。
さ｢……お願い、来ないで。｣
真｢…………はぁ〜……｣
私がそう言うと、後ろから真央の深いため息が聞こえた。
振り返ると、真央はその場にしゃがみこんで俯いた。
真｢ねぇ愛生……今、なんて言って欲しい？｣
さ｢は……？｣
真｢ずっと考えてんだけどさ、全然いい言葉が浮かばないんだよ。なんて言葉が欲しい？なんて言ったらいい？俺は……どうしたら、愛生の力になれる…？｣
その声は、言葉を発するごとに震えを増した。
真｢分かってんだよ…愛生のこと考えたら、俺の気持ちぶつけるだけじゃダメだって…｣
……真央は、泣かない。
滅多に笑わない。怒らない。照れない。
感情を表に出さない。いや、内側にもないのかも。
周りのことはよく見てる。
今回もそうだ。
私のことを考えて動いてくれてる。
真｢でもさ……やっぱり、思っちゃうんだよ…。
いくらダメって分かってても、それでも俺は…｣
絶対そうだと、思っていた。
真｢愛生と…一緒に、生きたいよっ…！｣
さ｢！！｣
優しく笑う真央の悲しそうな目から、一筋の涙が零れた。
……ずっと、探していた。
愛される生き方、それは人に必要とされる存在であること。
だから変わった。
時には"天才な優等生"、時には"性格の悪い悪女"。
そうやって自分を偽って、居場所を無理やり作っていた。
でも…心のどこかで、ずっと引っ掛かっていたものがある。
私はどうしてここにいるの？どうしてこんな生き方しなくちゃいけないの？
……今、やっと答えが出た。
たくさん探して…やっと見つけた。
私の、生きる理由────。
さ｢…何よ、それっ…｣
真｢……！｣
涙が溢れて、止まらなかった。
真｢なんで……笑ってんの…｣
さ｢分かんないよっ…｣
涙と一緒に、笑みが零れた。
真央も笑っていた。
真｢体育はもうサボるかぁ…｣
さ｢…ねぇ、真央。｣
真｢ん？｣
さ｢…ありがと。｣
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年11月4日 14時
