私の名前は ページ16
叶芽side
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｢佐藤さーん！ずっと前から好きでしたー！｣
｢え！？ご、ごめんなさーい！私田中くんが好きでーす！｣
｢お、俺！？俺は彼女いまーす！！｣
学校中に、笑いが巻き起こる。
｢愛の告白、隠し事、なんでもOKでーす！飛び入り参加も大歓迎！｣
後夜祭。
キャンプファイヤーと同時に、告白大会が行われている。
叶｢あっはは、みんな元気だなぁ〜。｣
み｢…そういえば叶芽、告白どうなったの？｣
叶｢あー、結局してないんだ。｣
み｢え、してないの！？｣
叶｢色々あってね！そういえば、相川くんが言ってたあの子って誰だったんだろ…ね、さっちゃん分かる？｣
さ｢はぁ？知るわけないでしょ。私ドロドロな恋愛には首突っ込みたくないんだよね〜。｣
み｢え、ドロドロ？何が？｣
ユ｢…よし、私言ってくる！｣
み｢え！？｣
そう言い残して、ユキはステージの方へ向かっていった。
｢それじゃあ次はこの人！お願いします！｣
MCの先輩が、ユキをステージに挙げた。
真ん中のマイクのスイッチを入れ、深呼吸をする。
ユ｢…2年1組、雪原 優心です！｣
ユキはマイクを通して、自分の名前をを響かせた。
ユ｢2年生になって、私は生まれて初めて恋をしました！
そしてついさっき、その相手に告白して……｣
ぎゅっと、スカートを握る。
唇を噛み締め、大きく声を上げた。
ユ｢思いっっっきり振られましたぁ…！！！｣
全｢｢｢えぇぇぇぇぇえ！？！？｣｣｣
ユキの目からは、大粒の涙が零れた。
彼女の涙を見たのは、いつぶりだろうか。
もしかしたら、初めてかもしれない。
グラウンドの色んなところから、｢嘘だ！｣とか、｢あんな可愛い子が振られるはずない！｣とか、そんな声が聞こえた。
ユ｢なので……今は、絶賛彼氏募集中です！
私を振ったそいつの後悔させるくらい！
超かっこいい彼氏作るつもりなので、
よろしくお願いしますっ…！！｣
ユキは最後に満面の笑みで笑い、ステージを降りた。
そんなユキの笑顔に、偽物という文字は一切刻まれていなかった。
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年11月4日 14時
