屋上に来たのは ページ13
叶芽side
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叶｢……よしっ。｣
外では、教員とPTA、そして実行委員達がキャンプファイヤーの準備をしている。
そして私は、屋上から赤い空を見ている。
さっき、三井くんの机の中に紙を入れてきた。
もちろん、呼び出しの手紙。
私は胸に手を当て、深くため息をついた。
…深呼吸でなく、ため息。
その理由は、考えないようにしていた。
キィィ……。
叶｢！｣
屋上の、立て付けの悪い扉を音がした。
私は、勢いよく振り返る。
そこに立っていたのは…
｢…君も、性格悪いよね。｣
叶｢相川(あいかわ)、くん…？｣
相川くん…相川 真央くん。
三井くんの親友で、クラスメイトの1人だ。
真｢陸人なら来ないよ。屋上じゃなくて中庭って言ったから。それに来る人も伝えてない。｣
叶｢え、どうして…｣
あのグループの中でも比較的レベルの高い顔をしていながら、おそらく1番目立つ行動は取らない相川くん。
彼がこんなことをするなんて…。
真｢…気付いてんじゃないの？雪原さんの気持ち。｣
叶｢！｣
図星…と言ったら、嘘になる。
7割くらいは、勘だったから。
真｢今君がやらないといけないことは告白じゃないでしょ…雪原さんに、言うことなるんじゃない？｣
叶｢……確信、持ってもいいのかな。｣
真｢持ってなくてもいいじゃん。もし違っても、親友なら笑ってくれるよ。｣
叶｢…そう、だね。そうだよね…！｣
あぁ私、最低だな。
ユキの優しさを知っていながら、騙してたんだ。
…ユキ。今行くよ。
あなたに、伝えなきゃいけないことがある。
叶｢ありがとう相川くん…でも、どうしてあなたが？｣
真｢…頼まれちゃったから。あの子に。｣
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年11月4日 14時
