君と空を見上げれば２ (ページ21)

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episode62☆*: ページ21

霧野side

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霧｢…とまあ、こんな感じだけど……割と恥ずかしいもんなんだな。｣

狩｢恥ずかしがってんすか？分かりずらいですよ。｣

霧｢別に分かりやすくする必要も無いだろ。｣

グラウンドへ降りるために階段に腰をかけ、狩屋と話をした。

主に俺の失恋話。特に悲しくはない。もう終わったことだから。

狩｢夢咲さんは？なんで告白OKしなかったんですか？｣

霧｢緋彩には、俺より緋彩を幸せにしてくれる人がいる。というか、もう知ってる。｣

狩｢…また、周りのことですか。｣

霧｢だから言ったろ。俺はいつもこんな感じだって。｣

狩屋は顔をゆがめる。

意外と顔に出るやつだ。分かりやすすぎる。

でもこいつ、いつからこんな素直になったんだろう。

初めて会った時はあんなに生意気だったのに。

いや、今でも生意気だけど。

霧｢狩屋は？｣

狩｢え？｣

霧｢なんか無いのかよ。恋バナ！｣

狩｢ありませんよ。俺の周りの女子みんな彼氏持ちだし？｣

霧｢そんな訳ないだろ～。じゃあ他の2年は？剣城とか雨宮とか影山とか信介とか。｣

狩｢さぁ…聞いたことないですね。2年は天馬くんと空野さんが有名ですけど。｣

霧｢やっぱりそんくらいか。どうせなら剣城の好きな人とか聞いてみたかっな～。｣

狩｢ま、でもたとえ好きな人いたとしても？

先輩みたいに親友の彼女好きになる人はいませんよ。｣

霧｢ははっ、お前そればらすなよ？

特に神童なんかにば、れた…ら……｣

嫌な予感がした。

さっきから、後ろを通り過ぎる生徒達。

それとは別の気配を感じる。

歩いていない、止まってる。

俺は、おそるおそる振り返った。

そこにいたのは……

神｢霧野……今の、どういう意味だ…？｣

霧｢神、童……。｣