episode56☆*: ページ15
神童side
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神｢失礼しました。｣
そう言って、教室を出る。
進路相談を終えた俺は、帰り支度を終えて下駄箱で靴を履き替えていた。
神｢A？｣
紅｢先輩！｣
すると、玄関の階段にAが座っていた。
神｢帰らないのか？｣
紅｢葵を待ってるんです。先輩は？｣
神｢今最後の進路相談を終わらせてきた所だ。｣
進路相談…と言っても、最終報告のようなものだった。
進む高校、目標など。
時は3月。俺達の卒業式はいよいよ2週間後に迫っていた。
神｢隣、いいか？｣
紅｢あ、はい。｣
最近お互い暇がなくて、まともに話せてなかった気がする。
こうやってゆっくり話すのも、久しぶりだ。
紅｢卒業式もうすぐですね。もう、同じ学校通えなくなっちゃうんだぁ……。｣
Aの声は少し寂しそうに聞こえたけど、何故か以前より重く感じなくなった。
神｢毎日電話しよう。休日も、出来るだけ会えるようにする。月に1回は絶対だな。｣
紅｢部活が無い日はサッカー部に遊びに来てください。そっちの方が長く一緒にいれるでしょ？｣
神｢ははっ、そうだな。｣
何だか変だ。
こんな会話、以前なら顔を真っ赤にしてでも出来なかったのに。
新鮮味は無いけど、こっちの方がずっとずっと楽しい。
そう思っていると、Aは俺の手の上に自分の手を重ねた。
紅｢…何だか不思議です。前より、先輩が近く感じる気がする。｣
神｢Aもか？俺も同じだよ。｣
組んだ指を、ぎゅっと握る。
肩が触れた。
彼女が目を閉じ、俺がのぞき込んだその時。
｢おわっ！？｣
ドタンっ！
神 紅｢！？｣
音がした下駄箱の方を向くと、そこには床に伏せた霧野と上に乗っかった狩屋がいた。
どうしてこうなったのか、予想はつく。
紅｢えっと……何やってるんですか…？｣
霧｢いや…お前らが悪いんだからな？帰ろうとしたら入り口で…。｣
神｢いつから見てた…？｣
狩｢卒業式もうすぐですね…くらいから？｣
紅｢最初からじゃない！｣
ちょっとマサキ！と狩屋を怒るAを見て、余計恥ずかしくなる。
俺は何をしようとしていたんだ…。
霧｢あ〜あ、もうちょいだったんだけどな〜。｣
神｢ちょ、霧野！｣
霧｢ごめんごめんっ、冗談だって！｣
霧野はそう笑うと、今度は目を細くして微笑んだ。
霧｢幸せにしてやれよ。｣
返せる言葉は、1つだけだった。
神｢あぁ、もちろん。｣
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モナ - 続き早く見たいです！ (2019年2月17日 8時) (
レス) id: ce41c9b384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年12月29日 5時
