君と空を見上げれば (ページ6)

今日:15 hit、昨日:20 hit、合計:28,547 hit

episode4☆*: ページ6

Aside

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

紅｢マサキ、早く！｣

狩｢そんなに急がなくたっていいだろ…｣

朝。

私は今、マサキと一緒に雷門中の前に来ている。

緊張のせいか、学校が昨日より少し大きく見えた。

狩｢じゃあ、俺部活あるから。｣

紅｢あ、うん。頑張って！｣

そう言って、狩屋はそそくさを歩いていってしまった。

紅｢……よし。｣

…大丈夫。大丈夫。

この学校には、私の私情を知ってる人はマサキしかいない。

『お前親いないんだろ？』『可哀想！』

同情なんて、もうまっぴらだ。

だからもう、誰にも心は開かない。

コン、コン、コン。

誰かが、私の心の扉を叩いた。

『出ておいで。外は楽しいよ。』

私は言った。

『嫌。外は怖いもの。』

音は止んだ。声も聞こえない。

みんなそうだ。

いい人ぶって近付いても、面倒だと気付いたら去ってしまう。

この世界に生まれた人間はみんな、そうやって出来ている。

だからこそ、この世界は残酷だ。