episode37☆*: ページ40
Aside
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紅｢あ…と、とりあえず手当てしなきゃ！先輩、こっち来てください！｣
私が言うと、葵が神童先輩の腕を引っ張った。
緋彩も、霧野先輩に声を掛ける。
夢｢先輩も、こっち！｣
霧｢俺はいいよ。｣
そう言って、霧野先輩は部室を出ようとした。
夢｢あ、先輩！｣
緋彩が呼び止めると、霧野先輩は1度だけ立ち止まった。
すると、後ろを向いたままひと言吐いた。
霧｢あいつが…あれほど意気地無しだとは思わなかったよ。｣
神｢…！｣
その時、神童先輩が自分のズボンを握りしめた。
怒っている…というより、悔しがってる…？
葵は救急箱から湿布や絆創膏を出し、神童先輩の傷に丁寧に貼った。
神｢すまないな、空野…。｣
空｢いえ…それより、一体何があったんですか？｣
天｢先輩達が喧嘩するとこなんて、今まで見たことないです…。｣
神｢…大した理由じゃないさ。それに、悪いのは全部俺だ。霧野はそれを叱ってくれただけだしな。｣
狩｢…にしては、だいぶ反抗してるように見えましたけど。｣
マサキの言葉に、先輩は悲しそうに笑った。
神｢ダメだな、俺…。｣
そう言われた途端、なんだか急に寂しくなった。
先輩が…1人ぼっちに見えた気がした。
その先輩は、無理して笑っていたあの頃の私に少し似ていた。
…私、だって。
紅｢……支えって、大事ですよね。｣
神｢…？｣
紅｢自分が苦しんでる時、悩んでる時…支えになってくれる存在って、すごく大事だと思います。
人だけじゃない…食べ物や動物、空、サッカーでも、何でもいいんです。でも…
神童先輩にとっての支えは、霧野先輩じゃないんですか？｣
神｢…っ！｣
紅｢……なんて偉そうですけど、私もついさっき気付いたんです。支えの大切さのこと。
先輩が何に悩んでいるのかは知りませんが…その問題は、霧野先輩と解決するべきだと思います。｣
みんなが教えてくれた。
私は1人じゃないって。
こんなにたくさん…信じられる仲間が出来た。
私がしているのは、霧野先輩みたいな大層な事じゃないけど。
それでも…少しでいいから、大好きな先輩の力に。
神｢…そう、だな。ありがとう紅月。行ってくる！｣
神童先輩は、そう言って部室を出た。
紅｢……あれ、緋彩は？｣
天｢え？さっきまでそこにいたけど…。｣
雨｢そういえば、美月も…。｣
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作者名：☆Cirno☆ | 作成日時：2018年10月1日 1時
