君と空を見上げれば (ページ17)

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episode15☆*: ページ17

Aside

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霧｢緋彩が…そりゃ驚いたな…｣

私は、先輩に全てを話した。

緋彩が実の妹ってこと。

昔私達はある事情で親に捨てられて、お日さま園で暮らしてたこと。

緋彩は物心がつかないうちに、養子にもらわれたこと。

紅｢緋彩は…私の事は覚えてないです。なのでこのまま言わないでおくのが一番だと思うんです。緋彩には今まで通り普通の生活を送ってもらいたいので…でも…｣

それじゃあ、私がきっと耐えられなくなる。

今でもこんなに苦しいのに…。

霧｢紅月は…どうしたいんだ？｣

紅｢え…？｣

霧｢お前の気持ちは？確かに緋彩の事を大事だとは思うけど…俺は、自分の気持ちに正直になるべきだと思うな。｣

紅｢正直に……｣

神｢霧野ー？｣

遠くで、神童先輩の声が聞こえた。

霧野先輩は｢今行く！｣と言って、私の方を向いた。

霧｢また相談乗るからな。｣

そして、グラウンドの方へ走っていった。

……自分に、正直に。

私が1番に願っているのは緋彩の幸せ…

本当に？

本当は、話したいんじゃないの？

実の姉として、緋彩と一緒にいたいんじゃないの？

紅｢分かんないよ…。｣

閉ざした心は、そう簡単には開かない。

誰にも開けられないその扉は、いつからか私でさえ開けなくなっていた。