好きだったよ、君。

１７ 頑張ったね。 side緋架莉 ページ20

それから、Aは目を赤くして、頬を濡らしながら

時々止まりながらも

ゆっくり、丁寧に話してくれた



Aが全て話終えた時には

私の頭には疑問と驚きしか浮かばなくて



(そんな事、知らなかった……)



Aは、

あの時も、あの時もあの時も、




無理して笑っていたの……？



気付いたら、私の胸の中にはAがいた

Aの頭に、私の涙が

ほたり、ほたり、

一粒一粒、ゆっくり流れ落ちて



｢…………頑張ったね……、A……｣


私がそう言うと、腕の中のAは、

ビクッと大きく揺れて


｢……ひっ、ひかぁ……っ｣


いつものAとは全然違う

甘えた、妹のように頭をスリスリすり付けて

Aは私に抱き付いた

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