狼な素顔 ~jun mathumoto~ (ページ11)

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切ないページ11

私たちが松本さんの撮影がおわるのを待ってると

監督｢Aちゃん、次いい？｣

って監督が声をかけた。

A｢はい！｣

私は監督のもとにかけよる。

監督｢そこのベンチに座ってるとこからね｣

そう言って目の前のベンチを指さす。

A｢分かりました｣

私はベンチにすわった。

後ろの方では松本さんと監督が喋ってる。

なんか緊張するような

そんな感じだ。

ちゃんと顔見れるかなとか、ちゃんと話せるかなとか。

色々考えてる。

昨日の夜から松本さんばっかり考えてる私は本当におかしい。

潤｢……おはよ｣

いつの間にか横に立ってる松本さんにびっくりして目を見開いてしまう。

A｢おはようございます……。｣

松本さんは隣に坐る。

A｢えっ……なんで｣

潤｢いや……なんでって……

このシーン俺隣座るんだけど｣

そうだった……！！

A｢ですよね……｣

なんで忘れてた私……！

こんなにはやく松本さんと話す時間が来るとは……

心の準備もできてない。

潤｢……｣

A｢……｣

松本さんも私も、そのあとはなにも話さなくて、シーンとなってて、気まずくて……

何か話そうって考えてるけど出てこないし

思いつかないし

監督さん、、はやく声掛けて……！

撮影をはやく始めたくてそれだけ願ってた。

潤｢悪かったよ……｣

最初に沈黙を遮ったのは松本さんで、声はすごく小さかった。

A｢え……｣

潤｢酔ってたのもあって……自分のコントロールできなくて……｣

昨日のことだ……

松本さんは私の顔を見ずに話す。

潤｢ごめん……｣

そんな顔しないで？

潤｢本当にごめん……｣

いつもの松本さんでいて？

A｢大丈夫です……｣

潤｢嘘……｣

A｢嘘じゃないです……！｣

潤｢嫌がってたのも分かってる……｣

その時、監督が声をかけた。

監督｢カメラの調子わるいから、ちょっと2人とも休憩してて｣

それを聞くと松本さんは立ち上がって、私に背を向ける。

歩き出す後を私はついていく。

A｢松本さん……｣

潤｢嫌いになったよな｣

A｢え……？｣

潤｢こんな男……嫌だよね｣

私と目を合わせた松本さんは、とても切ない顔をしてた。