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『ねぇ、お兄ちゃん、どこいくの？』
「ん〜？せやなぁ、どこいこか〜。」
その時はまだすこし肌寒かったから
ホテルでもとって
そこで暮らそうかと思っていた。
『わぁっ！ベッド！大きいね！！』
無邪気で、純白
汚れを知らない優しい子
その子といるだけで、自然と笑顔になれた。
卒業式の日に俺はその子を連れ出して
どこか旅に出よう、そう計画していた。
犯罪だなんて
そんな言葉は失った自分の頭にはなかった。
「ふふ、明日どこいこか？」
『んーとねぇ、遊園地！！』
その子の行きたいところはどこでも連れて行った。
幸い、お金には困らなかったから
なんでもその子の言う通りに動いた。
そんな生活を続けていると
なんだか違和感がでてきた。
"なぜこの子は両親に会いたがらないのか"
そんな疑問が出た。
このことをその子に聞くと
『パパとママ、いつもケンカばっかりなの。
私、お家に帰りたくない。』
なんだ、この子も俺と同じなのか。
そんな気持ちと
こんな純粋な子になんてことをしているんだ。
こんな気持ちが湧いた
この子は俺が守る。
そう決めて誘拐してから5ヶ月が経った頃
潮時だった。
ニュースや、新聞などでは
もう一面で取り上げられていた。
"兵庫県女児誘拐事件"
全くこの字の通りだ。
俺は9月1日を目処に
この子を家に返すことを決意した。
それまでは、せめてそれまでは
『わぁ、花火きれい〜！』
「せやな〜！」
この子を守らせてください...。
「今日は海いこか。」
『海！？行きた〜い！！！』
これが最後の日
もうすぐ沈みそうな夕日を前に
俺たち二人は砂浜に座っていた。
「アイス、食べよか。」
『うんっ！食べる！！』
何も知らない君に
何も知らなくなる魔法をかけてあげる。
君に渡したグレープ味のアイス
あのアイス、本当は記憶をなくす薬が入ってたんだ
グレープ味のアイスが大好きな君は
何も知らずにものの五分でそれを食べた
しばらくして眠くなった君は
夕日が沈むと同時に
砂浜に寝転んだ。
「おやすみ、さよなら...」
そう言い残して、俺はあの海を後にした。
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そら(プロフ) - 初めまして。最後まで一気に読ませていただきました。最初はドキドキしっぱなしで、いつか身を結ぶのかなって思っていたら、いい意味で期待を破られました！卒業式の日の海での会話から涙が止まらなかったです、とても感動しました！これからも頑張ってください！ (2020年8月14日 3時) (
レス) id: e28544dfc9 (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 初めまして。20話目ぐらいから大体予想が着いたのですが、切なくてそれからずっと号泣でした。最後の10話くらいから涙が止まらず、凄く感動しました。こんな泣ける小説読んだのは初めてかもしれません。これからも頑張って下さい。応援してます。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 39265f0c80 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - みゆきさん» 完結までお付き合いくださいましてありがとうございます！具体的な感想ありがとうございます（ ; ; ） (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 沙耶さん» ありがとうございます！ (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完結お疲れ様です！最後�霤沈萓犬�捕まる前あたりからずっと号泣でした！ (2018年4月29日 23時) (レス) id: f948add40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2018年3月20日 21時
