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"鬼"
「じゃあ次たかひろくん鬼ね！！」
「きゃー！逃げろ〜！！！」
俺は誰からも追いかけられない人生だった。
鬼というのは人から恐れられて
人を憎む生き物だ。
「鬼なんてやりたくない。」
この時の俺には
こんなこと言える勇気がなかった。
家でも、いつも長男が褒められていて
俺には見向きもしなかった。
あぁ、誰も俺のことは考えてない。
誰も、追いかけてはくれない。
父親が医者で
俺の人生はまるで敷かれたレールの上で走っている
機関車のようだった。
鬼といい機関車といい
誰も俺のことを人だとは思ってくれてなかった。
もともと内気な性格の俺は
父親に反抗することも
誰かに存在を主張することもできなかった。
そんな性格を高校生まで引きずったせいか
俺は過度のストレスのため
目眩や、吐き気などを起こすようになった。
しまいには精神科医までもつけられた。
開きたくもない心に語りかけられる
「今日はどうしたん？」
「なんでもいってや？」
安っぽい言葉を並べるだけのこいつは
世界で一番嫌いだった。
父親は精神科医にかかった俺を見て
もう大丈夫。とでも思ったのか
俺を部屋に閉じ込め
「勉強しろ。」
「お前は医者になるんだ。」
そう言われた。
...正直、もう心はボロボロだった。
そんな心からは淀んだ世界しか視界に入らなくて
見たくないものや
今まで見えなかったもの
さまざまなことが違って見えた。
それでも、こんな俺でも趣味はあった
写真だ。
写真を撮るときの軽快なシャッター音
被写体を綺麗に見せること
この時だけ、俺は生きてる気がした。
でもそんな時間は長くは続かなくて
いよいよ迎えた合格発表の日
俺は、落ちてた。
まあやりたくもないことのために勉強してても
なにも身に付かないよな。
そう言い訳はしたが
なによりも怖かったのは父親だった。
でも
帰宅してから父親にこのことを伝えると
「じゃあ、次は塾通おうか。」
「家庭教師のほうがええか？」
自然に、
あくまでも自然にそう言われた
でも俺にとってはかなり不自然だった。
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そら(プロフ) - 初めまして。最後まで一気に読ませていただきました。最初はドキドキしっぱなしで、いつか身を結ぶのかなって思っていたら、いい意味で期待を破られました！卒業式の日の海での会話から涙が止まらなかったです、とても感動しました！これからも頑張ってください！ (2020年8月14日 3時) (
レス) id: e28544dfc9 (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 初めまして。20話目ぐらいから大体予想が着いたのですが、切なくてそれからずっと号泣でした。最後の10話くらいから涙が止まらず、凄く感動しました。こんな泣ける小説読んだのは初めてかもしれません。これからも頑張って下さい。応援してます。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 39265f0c80 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - みゆきさん» 完結までお付き合いくださいましてありがとうございます！具体的な感想ありがとうございます（ ; ; ） (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 沙耶さん» ありがとうございます！ (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完結お疲れ様です！最後�霤沈萓犬�捕まる前あたりからずっと号泣でした！ (2018年4月29日 23時) (レス) id: f948add40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2018年3月20日 21時
