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あのあと脚がドアに向かっていて
玄関まで歩いた。
魂が抜けたように
全身の力がなくなった。
玄関にはいつもの重岡がいて
私の異変にすぐ気がついた
「Aっ...どうしたん...？」
色がないんだ。
先生がいないと私の視界には色は付かないんだ。
無言で重岡の隣に並ぶ
傘をさそうとしない私に重岡は慌てて傘をさしてくれた。
「なぁ、なぁ、A」
もうなにも考えたくない
先生はもういなくなるんだ。
あぁ、
重岡も呆れて私に傘をささなくなった
雨が私に当たる
身体が冷たくなるのも気にならないくらい
私の悲しみは大きかった。
「なぁって！！！」
突然、冷たかった身体が温められる
そうか、重岡に抱きしめられたんだ。
「なんでそんな泣いてるんっ...？」
『...え？』
あ、私泣いてたんだ。
「俺に言えへん...？
やっぱり俺じゃ、あかんのっ...？」
初めて聞いた重岡の弱々しい声
その声に我にかえった。
『しげ、おか....』
「AっAっ...！」
重岡の頬に伝っていたのは
きっと雨ではなかった。
私への心配と、不安の涙が
流れていた。
そんな重岡をみて
抑えようとしていたものが一気に押し寄せてきた
『っうぅ...重岡ぁ...』
我ながら情けない声だ。
そう自分に呆れながらも
人通りの少ない道路の真ん中、
今日は雨で子どもが1人もいない公園の前で
2人して抱き合って泣いた。
今日は雨でよかったね
なんて笑いながら
やっぱり頬を伝っているのは涙で
そんな重岡を慰めたくて
私は濱田先生の異動の話をした。
重岡は私と同じくらい悲しい顔をして
もう一度抱きしめてくれた。
次重岡の顔を見るころには
もう涙はなくて、
笑って私に
「帰ろか」
そう言った。
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雨はすっかり止んだものの
やっぱり空は曇りだった。
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そら(プロフ) - 初めまして。最後まで一気に読ませていただきました。最初はドキドキしっぱなしで、いつか身を結ぶのかなって思っていたら、いい意味で期待を破られました！卒業式の日の海での会話から涙が止まらなかったです、とても感動しました！これからも頑張ってください！ (2020年8月14日 3時) (
レス) id: e28544dfc9 (このIDを非表示/違反報告)
シャオラン(プロフ) - 初めまして。20話目ぐらいから大体予想が着いたのですが、切なくてそれからずっと号泣でした。最後の10話くらいから涙が止まらず、凄く感動しました。こんな泣ける小説読んだのは初めてかもしれません。これからも頑張って下さい。応援してます。 (2019年2月26日 0時) (レス) id: 39265f0c80 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - みゆきさん» 完結までお付き合いくださいましてありがとうございます！具体的な感想ありがとうございます（ ; ; ） (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 沙耶さん» ありがとうございます！ (2018年5月10日 19時) (レス) id: 26039588f2 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完結お疲れ様です！最後�霤沈萓犬�捕まる前あたりからずっと号泣でした！ (2018年4月29日 23時) (レス) id: f948add40a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2018年3月20日 21時
