【A3!】完璧ドール (ページ21)

今日:6 hit、昨日:14 hit、合計:223,000 hit

その21 ページ21

｢ねぇ、あんた生意気過ぎなんですけど。｣

A｢(放課後呼び出し食らったかと思えばこれかよ。)｣

漫画でよくありがちな下駄箱に手紙を入れとくタイプの呼び出しだったけど、これまた面倒なのに絡まれた。

しかも相手は3年生の先輩。

死んでもこんな先輩にはなりたくないもんだ。

顔も大して可愛くないくせに性格もブスとか、可哀想とか通り越してもう笑えてくる。

｢あんた、この前学校一イケメンの深瀬君の告白断ったんだって？｣

A｢えぇ、それが何か？｣

｢ちっ、ムカつくんだよ！！｣

その言葉と同時に、私の頬に鋭い痛みが走った。

｢うわっ、志帆やる～ww｣

｢まじウケるんだけどw｣

A｢(こんなの見てウケるとか頭沸いてんだろ。)｣

｢あんた達もやっちゃえば？｣

そこから先の事は、あまりよく覚えていない。

***

A｢……誰にも気づかれずにずっと倒れてたのか。｣

これ、軽く大問題じゃないか？

時間だって、部活が終わる頃より遅いし。

痛む体を半ば無理やり起こして、カバンを持って帰る支度をする。

A｢くっそ……たかが1個差なだけだろ。｣

先輩面してああやって押しかけてくる奴は姉さんと同じくらい嫌い。

今日は仕事も部活も無くて良かった。

さて、どう言い訳しようか。

***

A｢……ただいま。｣

太一｢おかえ……って、Aちゃん！？その傷どうしたんスか！｣

やはり傷は光が当たるところだと目立つらしく、太一さんの出した声で、リビングにいた人達が一斉にこちらへ向いた。

左京｢おい、その傷はどうした。｣

A｢転けました。｣

左京｢正直に言え。｣

A｢…………。｣

左京｢はぁ……とりあえず手当てが先だ。話はその後に聞く。｣

私があまりにも黙り込んで話そうとしないので、左京さんは救急箱を持ってきた。

莇｢おいクソ左京、俺も手伝う。｣

密｢……俺も。｣

私はソファに無理矢理座らされ、包帯で巻かれたり、絆創膏を貼られたり、様々な処置を施された。

幸｢ほら、これで顔冷やしな。｣

A｢どうも。｣

あぁ、この後は地獄の事情聴取の始まりだ。