とお あまり ここのつ ページ20
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「──本当に、知らないのか？」
ゆっくりと言葉を区切って、低い声でいう。
その目はギラギラと光っていて、獲物を狩る猛禽類を思い立たせた。
「……知りません。誰ですか『あかーし』って」
は、と呼吸と共に言葉を漏らす。
……この目が、ひどく怖かった。
「最近あかーしな、誰かにつけられてる気がすんだって」
淡々と、静かにそう語る木兎さんの眼は、冷たい。
細まった瞼の奥にある、キラキラと金色に輝くそれは、まるで鋭い刃物かのように私に向けられていた。
「俺さ、俺の可愛い後輩をつけまわしてるヤツのこと、許せねーんだ」
抑揚のない冷えた声に、ブワリと肌が粟立つ。
怖い。そしてひどく、寒い。
この瞳が、どうしようもなく──痛い。
「まあお前じゃないってンなら、別にいーけど」
じい、と静かにこちらを見つめる瞳を、動揺を悟られないように無表情を徹しながら見つめ返す。
──この人は、こんなに冷たい顔ができるのか。
「悪かったな」
彼がそう言った瞬間、張り詰めていた空気も、冷たかった瞳も全て元に戻った。
二カリと笑う木兎さんの変わりように、ゴクリと唾を飲み込む。
──やめた方が、いいかもしれない。
これ以上、彼に──赤葦京治に関わるのは。
あの完成された家庭を、きっと木兎さんも壊したくないのだ。
この人は本能的に、私を『赤葦京治の築く家庭において有害な存在である』と感じたのだ。
そりゃあそうだろう。旦那の元カノの娘だなんて、彼らの家庭にとっては問題のタネにしかならない。
それに、彼は私をわからなかった。
その結果だけで十分じゃないか。
これ以上私は、何をしたいというのだろう。
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麗夢 - 前見た時本当に感動してまた読みに来ました。私が知っている夢小説の中で1番大好きな作品です！ (3月1日 23時) (
レス) @page44 id: 6ebe956d7c (このIDを非表示/違反報告)
にっこり(プロフ) - 感動したやっぱりお父さんって大事だなぁ後光輝君もいいな！ (2021年8月25日 7時) (レス) id: ec120adb39 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉(プロフ) - とても感動しました！！！！泣きながら読んでました！この作品に出会えて良かったです！ありがとうございました！！！！ (2020年6月11日 0時) (レス) id: e2f068ce6d (このIDを非表示/違反報告)
芥川とミルクティ - 何度見ても泣きます。もう最後なんか、嗚咽が止まりません。本当に感動する素晴らしい作品です。作者様のとても美しい文章に惹き付けられます。 (2020年3月14日 20時) (レス) id: 9ec8afc8ac (このIDを非表示/違反報告)
哀駒(プロフ) - 完結おめでとうございます^^もう泣きすぎて明日目腫れそうです…w (2020年3月10日 22時) (レス) id: 677b3c59a5 (このIDを非表示/違反報告)
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