【HQ】父親って。

とお あまり みっつ ページ14

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「あっ、あとね！」




　無邪気に笑う京也に、私がいびつな笑みを返した時、京也が嬉しそうに声を上げた。




「あのね、こーきくんっていう、ぼくとさんの子どもともね、いっしょにあそぶの！ こないだもね、おとーさんとぼくとさんと、あとこーきくんといっしょにね、お出かけして、バレーやったんだあ！」




　耳に入った言葉に、思わず固まった。


　えへへ、と照れくさそうに笑う京也の言葉を聞いて、ガツンと鈍器で頭を殴られたような衝撃を受ける。



　こーき。


　ぼくとさんの子ども。


　それって、つまり……。





「何歳かっていうとね、えっとね、Aおねぇちゃんと同じくらい！」




　足元の地面が、ガラガラと音を立てて崩れていくようだった。

　友達、両親、居場所。何もかもがこの子に奪われていく。

　まるで、一生懸命組み立ててたおもちゃを、サッと横から取られてしまったみたい。




　ねえ、どうして？


　どうして君は、私の持っていないものをそんなに奪っていくの？




　──返して。



　──返してよ。






私のお父さんとお母さんを、返して。


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