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その日から、私はまともに及川と喋れなくなった。
廊下ですれ違ったって気付かないふり。
部活でだって必要最低限の会話だけ。
｢A、話が…｣
『ごめん急いでるんだ！』
及川はいつも話しかけてくれるけど、私がそれに対応できない。
来る日も来る日も私は及川のことを避け続けた。
岩泉も玲奈も、私たちを心配してくれた。
でも、誰かに話したりでもしたら気が狂ってしまいそうだったから。
もうすぐ最後の試合がやってくる。
それが終われば私達もほとんど関わらなくなるだろう。
私は今、いい逃げ犯だ。
許されないことはわかってる。
でも、迷惑だって言われることに耐えられるほど私のメンタルは強くなかった。
『はぁあ』
昼休み、また私をため息をついた。
私は1人でご飯を食べたくて、体育館横のベンチで弁当を広げていた。
冷えたご飯を1粒1粒かき集め、それを掬って口へ運ぶ。
そして唐揚げも一緒に口に含んだ。
そんな時、いきなり放送の声が聞こえた。
｢みんなやっほー！及川さんだよ！☆｣
私は聞こえてきたその声と名前に思わず吹き出した。
『なにごと…！？』
普段滅多に流れない放送から聞こえたのは及川の声だった。
すると、及川は重く、低い声で話し始めた。
｢ねぇ、なんで最近俺の事避けてるの？言うだけ言って逃げるなんて卑怯じゃない？｣
…ん？
聞き間違いだろうか。
淡々と並べられるその言葉は、私に向けての言葉にしか聞こえない。
｢人の気も知らないで、よくそんなことが出来るよね｣
｢気づくのが遅すぎるんだよバカマネージャー！｣
うん絶対に私だよね。
でもなにに気づくのが遅いって？
｢こんなこと言ったって鈍感だからわかってないだろうね｣
見透かされたようにそう言われて私は戸惑う。
何がどうなっているのか全く頭の整理がつかなかった。
｢だから、好きだって言ってんの！！｣
その言葉が聞こえた瞬間、私の手からお箸が滑り落ちた。
時間差でもう片方に持っていた弁当も転げ落ちる。
弁当の中身がこぼれ落ちたことなんて、今の私には気づく余裕もない。
私は今までに無いくらい全力で走り出した。
目的地は及川のいる放送室。
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げのげ(プロフ) - ハルスケさん» ありがとうございます！とても励みになります🥹 (1月29日 17時) (
レス) id: f5508f1222 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 初コメです！ランキング1位に乗っていて、すぐに拝見させていただきました！めちゃくちゃ面白いです！かっちゃんも好きなのですが、及川も大好きなのでとても嬉しいです！更新頑張ってくださーい！ (1月29日 13時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：げのげ | 作成日時：2024年1月28日 14時
